(写真・なかしまだいすけ/アフロ)

 思わず出た本音に“マドリディスタ”(熱心なレアル・マドリーファン)も黙っていられなかったのかもしれない。

 2024年4月27日、久保建英所属のレアル・ソシエダは、ホームでレアル・マドリーと対戦した。先制される苦しい展開ではあったが、久保は執拗にゴールに迫った。そして、注目のシーンは前半31分だった。

 レアルのMFアンデル・チュアメニがGKからのパスを受けると、ソシエダのFWアンデル・バレネチェアがプレスをかける。その際、チュアメニが転倒し、こぼれ球を拾ったソシエダのFWミケル・オヤルサバルのシュートはDFに防がれるが、さらにこのボールを久保が拾うと、冷静に相手DFを交わし、見事なゴールを決めて見せた。古巣相手に見せた意地の一発。久保の笑顔が弾ける。

 しかし、ゴール直後にレアルの選手が猛抗議。VARチェックが入ると、バレネチェアがボールを奪った際、チュアメニに足をかけたとしてファールの判定。この結果、久保のゴールは取り消しとなり、試合も0−1のまま敗れた。

 試合後、インタビューに応じた久保は「残念だよ。(我々は)勝利に値したと思う。僕はネットを揺らしたし、明らかな決定機もあった。正確性よりも運が足りなかったと思う。相手には1〜2回くらいしか決定機がなく、僕らには6〜7回あった。試合を支配して上回ったのは僕たちだった」と語った。

 取り消されたゴールに関しても「欧州チャンピオンズリーグでは主審は笛を吹かなかったと思う」と不満を口にした。

 じつは久保がレアル戦でゴールを取り消されたのは2023−2024年シーズンで2度めのこと。昨年9月に敵地で行われた一戦でも幻のゴールを決めており、1シーズンのレアル戦で2度の“取り消し”判定を味わう珍しい記録となった。だからこそ、久保は我慢できなかったのかもしれない。

 だが、一連の久保の発言に“マドリディスタ”たちの怒りが爆発する。

「もっとも多くゴールを決めたチームが勝利する。あなたのチームは0点だ」「久保を売って、代わりにアルダを勝った理由がわかる」「これがソシエダにいる理由。終わった選手だ」「恥を知るべきだ!」と怒りのコメントが多く寄せられる結果に。

 現在ソシエダでプレーする久保だが、彼がマドリーからソシエダに移籍する際、あるひとつの条項が契約には盛り込まれていたという。

「それは久保が今後移籍する際、マドリーが優先的に交渉できる『先制拒否権』が盛り込まれていたということです。久保は今夏にチームを去るという話が出ていますが、その移籍先は英・プレミアのリバプールや、『先制拒否権』があることでレアルに復帰するのではとも言われていました。でも今回、多くの“マドリディスタ”が久保を拒否したことで、マドリー復帰は消えるかも知れません」(サッカーライター)

 一方英国メディアでは、リバプールのみならず「アーセナルも獲得に参戦」の報道が出始めた。