採光や通風のために必要な「窓」。しかし、つける場所によっては、後悔するのでご注意を。3年前にハウスメーカーで家を建てた日刊住まいライターは、日常生活で一度もあけていない窓が2か所あります。つくったことで、掃除の手間を増やしただけと残念な結果に。また、主寝室には冬、寒くてたまらない窓も。では、どうすればよかったのかについても、詳しく語ります。

家づくりの段階から窓は少なくしたはずが…

わが家は、2人の子ども(5歳と2歳)を含む4人家族。3年前に大手ハウスメーカーで総2階の家を建てました。じつは筆者、ハウスメーカーからプランの提案があった段階で、窓を減らしました。

その理由は、窓を少なくすることで断熱性能が向上することと、工事費のコストダウンにつながると考えたからです。窓が少なくするメリットは、ほかにもあります。壁が増えるので、家具の置き場の制限も少なくなります。

それでも、つくった3か所の窓については、不満に感じています。詳しく紹介していきましょう。

3年間あけていないのに、掃除が大変な浴室の窓

わが家でもっとも不要だったと感じているのが、1階の浴室の窓。家を建てて3年たちますが、大掃除以外では一度もあけたことがありません。

浴室の乾燥は、水切りをしっかりすれば、窓をあけなくても換気扇のみで十分だと感じています。実際、定期的に掃除することで、カビの発生を抑えることができています。

わが家は子どもがまだ小さいため、浴室でバチャバチャ水遊びをします。そのとき、窓にお湯をかける「いたずら」をすることも。そのまま放置するとカビが発生してしまうため、水滴をふき取るようにしているのですが、これが意外に面倒です。

じつはこの浴室の窓に、外から見えないようブラインドを取りつけました。ですから、窓だけでなく、このブラインドの水滴もふき取らないといけません。

今後、子どもが「いたずら」しなくなっても、定期的にブラインドについた汚れ(カビや水アカ)はとらなければ…。ブラインドの羽を1枚ずつふく作業は、非常に面倒なことです。

カビはふき取れば落とせますが、水アカ汚れは固着していて、ふき掃除では落とせませんでした。酸性の洗剤を使えば落とせそうですが、ブラインドの羽1枚ずつに吹きかけてふき取るのも面倒。水アカ汚れは放置しています。

届かない場所にあって掃除できない踊り場の窓

2つめは、階段の踊り場にある窓。こちらは3年間で一度もあけていません。それに、手の届かない位置にあるので、掃除しようにもでません。

普段は黄色のロールカーテンをかけています。日中は太陽の光によって階段が黄金色に染まり、いい雰囲気です。しかし、このロールカーテンも汚れますし、窓の縁にはホコリがたまっているはず。掃除のストレスというより、掃除できないストレスを感じています。

また、日中、この階段を上り下りすることは少ないので、なくてもよかったと思っています。もし、窓をつくるにしても、開閉式ではなくFIX窓で十分でした。

冬は寝ている頭に冷気が直撃する主寝室の窓

3つめは2階の主寝室の窓です。上の間取りを見ればわかるように、ベランダへ出る窓と書斎の位置(わが家の書斎は主寝室を経由する)から、ベッドを置く場所は、おのずと決まってきます。

ベッドを置く位置の頭のすぐそばに窓をつくりました。朝、枕元に朝日が差し込むと、気持ちよく目覚めることができると考えたからです。しかし、実際に生活してみると、冬は窓からの冷気で、頭が寒いと感じることもしばしば。快適な目覚めのための窓が、睡眠をジャマする窓に。

この窓は、高気密高断熱をうたっているハウスメーカーの標準仕様。こんなに寒さを感じるとは想定外でした。朝日を感じる窓にするなら、高い位置にFIXタイプの小窓を採用する方がよかったと後悔しています。

ちなみに、子ども部屋の窓に関しても、主寝室同様に寒さを感じることがあります。しかし、ベッドの置き場所に選択肢があるので、それほど問題にはなっていません。

しっかり情報収集をしたので、家に関して後悔していることは、ほとんどありません。しかし、窓は想定外でした。筆者のように、必要性が低いのに掃除が大変だったり、位置の問題で睡眠に影響が出たりする可能性があるので、家づくりの際はしっかり検討した方がいいと思います。