四つのコンディション別特性表(筆者作成)

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 【家電コンサルのお得な話・181】パナソニックのリファービッシュ品が注目を集めている。これは使用済み製品を修理・部品交換し、再販売される「整備済み製品」である。2024年4月10日より、「Panasonic Factory Refresh」プログラムを拡大し、検査済み再生品を10カテゴリーとして、公式サイト「Panasonic Store Plus」で販売・定額サービスの提供を開始した。

●新品、アウトレット、リユースに次ぐ新たなカテゴリー



 「Panasonic Factory Refresh」とは、パナソニックグループ製造事業部の監修のもと、同社の厳格な出荷基準を満たした高品質なリファービッシュ品のことである。

 大まかな内容は既に多くの記事で紹介されており、パナソニック自体も、まだ、本格的な収益化を現時点では考えていないため、ここでは説明を省くが、気になるのがコンディション別の選択肢が増えることによる消費者の反応である。

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パナソニック、家電10カテゴリーで「リファービッシュ品」の販売を本格化

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 商品のコンディションには、新品、アウトレット、リユース、そして注目のリファービッシュがある。大まかな四つのコンディションを特性別に比較したのが図1である。

●「価格」と「使用年数」のバランスが大切



 家電製品は、現在、消費者にコストとして見られることが多い。つまり、画期的な付加価値があるから買い替えるのではなく、長い経年数があり故障すれば、仕方なく買い替えるということである。

 この購入で主に評価されるのが、「価格」と「使用年数」であり、言いかえれば1年あたりのコストによって「納得するか、しないか」が変わってくるといえるだろう。

 コンディション別で、一般的に考えられる耐久年数は、通常の新品>アウトレット>リファービッシュ>リユースとなる。基本的には価格もこの順番になるが、価格が安いからといって飛びつくと耐久年数が思ったより短かったという不都合も生じる。

 家電量販企業では、カテゴリーを絞ってリユースの保証を付けているところもあるが、こうした保証を合わせて検討して購入することが今後、さらに大切になってくる。

 家電量販店などの販売員は、自社で販売していない製品だとしても、パナソニックのサイトなどで確認し、それらを含めた情報に精通して消費者に最適な製品を提案する能力が求められるだろう。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

堀田泰希

1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。