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【第1話】から読む。

前回からの続き。私はマホです。同い年のレイジと結婚して2年、このたび第一子のミナミを里帰り出産しました。実家には定年退職した父と専業主婦の母がいます。両親は張り切ってミナミのお世話をしてくれ、私の身の回りのことも全面的にサポートしてくれています。1か月健診を終えたらレイジの待つ自宅に戻る予定ですが、そうなると私のワンオペ家事育児になるのは目に見えています。正直なところ「帰りたくない」というのが本音だったのでした。



1か月健診を無事に終えると同時に、自宅でのワンオペ育児へのカウントダウンがスタートしてしまいました。翌週の日曜にはレイジが迎えにきて、私とミナミは自宅へ戻る話になっています。レイジも帰宅後に備えていろいろと家のなかの準備をはじめたようです。「部屋に掃除機をかけておいてほしいのと、湯沸かしポットのなかを洗浄しておいてほしいかな。あとはベビーベッドを組み立てておいてくれる?」そう返信しながら私は深くため息をつきます。



出産前に義母から「里帰り出産から戻ってきたら、私が手助けに行くからね」と言われたことも引っかかっていました。里帰り中は我慢している義母が、満を持して自宅にやってくることでしょう。せっかく今はほどよい距離でお付き合いができているのに……。



すると数日後、親子3人リビングで見ていたテレビから思いがけないニュースが飛び込んできました。「ありゃ、今回の台風は結構すごそうだな……」「そうね。窓ガラスが割れないように対策とっておかなきゃ」「ちょうどマホが自宅に戻る日じゃないか」



私とミナミの帰宅を阻むように発生した台風。それを知ったレイジの方から「帰宅を延期しよう」と言ってくれたのです。正直「ラッキー!」以外の感想が出てきませんでした。だって本音を言えばまだまだ自宅に帰りたくないんです。実家で両親と一緒に子育てをしていたいのです。はじめての育児でわからないことだらけのうえ、寝不足続き。大人の手がたくさんあるほうが安心です。ひとまず延期になってほっとしましたが、さて……次はどんな言い訳があるかな……。どこか自宅に帰れない理由を探している自分がいます。

【第4話】へ続く。

原案・ママスタコミュニティ 脚本・煮たまご 作画・りますけ 編集・井伊テレ子