2024年の第一弾としてバルミューダが放った新作は、”お家芸”といえる調理家電。しかも、あの「BALMUDA The Toaster」の派生品として「その手があったか!」と思わせるようなプロダクトを発表しました。それが「ReBaker(リベイカー)」です。

 

発表会にはバルミューダの寺尾 玄代表取締役社長が登壇し、熱烈なプレゼンを展開。社長が同商品に込めた“愛”や機能性のほか、本機で調理した料理の味わいなどをレポートします。

↑2月20日発売の「ReBaker」の価格は2万4200円(税込)。ホワイト(左)とブラック(右)の2色展開です

 

最高の「まるソー」を食べたいという思いから開発

「ReBaker」の開発背景にあるのは、寺尾社長が「若いころから大好きだった」という「まるごとソーセージ」(山崎製パン)への愛。個別取材の最後に、「とにかくまるソー(「まるごとソーセージ」の愛称)推しでね!」とにっこり笑ったのも印象的でした。

 

ただし、昔から「まるソー」をより美味しく食べるべく、トースターや電子レンジで温めたものの、表面は焦げているのに芯まで熱が入らないなど、思い通りにならなかった記憶があるそう。

↑「まるごとソーセージ」への愛を力説する寺尾社長。このパートは特に熱量が高く、本気度を感じました

 

最高な状態の「まるごとソーセージ」を食べたい――。そんな願いを叶えるべく、開発したのが「ReBaker」。現行の「BALMUDA The Toaster」でも「フランスパンモード」や「クロワッサンモード」など、リベイクに適したモードはありますが、このリベイクに特化したのが「ReBaker」。「リベイクモード」を搭載し、ソーセージのパンやクロワッサンも表面は焦がさずにパリッと、中はふんわりアツアツに仕上げるといいます。

↑注目すべきは全体を均一の温度にするだけでなく、ふんわり仕上げること。そのため「ReBaker」で温めたほう(左)が、パンの背が高くなっていることがわかります

 

こうした美味しさを実現するのが、同社ならではの緻密な温度制御。1秒ごとに庫内温度を測り、1℃単位で上下ヒーターの強さを調整し続け、絶妙な火入れを行います。

↑「ReBaker」の緻密な温度制御の例。製品ページより

 

「フライドモード」で揚げ物を美味しく温める

また、揚げ物の温めに対応する新採用の「フライドモード」も「ReBaker」の特徴。冷めて固くなった油を液体にしてキレを戻しつつ、衣を焦がさずに中身の熱量を最大化することで、揚げたての食感と香ばしさを楽しめるとのこと。

↑モードは全5種。それぞれの選択は、ダイヤルを回すのではなくボタンプッシュで行います

 

さらに、「トーストモード」「チーズトーストモード」のほか、予熱なしで庫内が240℃に保たれる「オーブンモード」も搭載。こちらはグラタンなどのオーブン料理や餅など様々な調理に役立つ機能で、「BALMUDA The Toaster」や「BALMUDA The Toaster Pro」のクラシックモードのひとつ「230℃」に近いものといえるでしょう。

 

スチーム機能をなくしてリーズナブルな価格を実現

このほか、「ReBaker」と「BALMUDA The Toaster」との大きな違いはスチーム機能がないこと。そのため、しっとりさせつつサクッとさせることに関しては、「BALMUDA The Toaster」のほうが得意。ただし、パンのリベイクや揚げ物の再加熱などに関しては「ReBaker」に軍配が上がるそうです。

↑左が「BALMUDA The Toaster」で、右が「ReBaker」。サイズやデザインにも微妙な違いがあり、スチーム機能がない「ReBaker」には注水口やボイラー機構もありません

 

↑庫内はこのような感じ。ちなみに「ReBaker」の本体サイズは幅347mm×奥行き330mm×高さ216mmで、重さは約3.9kgです

 

なお、「ReBaker」はスチーム機能などをなくしたことで、リーズナブルな価格を実現。「BALMUDA The Toaster」は2万9700円、「BALMUDA The Toaster Pro」は3万7400円なのに対し、「ReBaker」は2万4200円となっています。

 

「まるソー」はサクもちに仕上がり、揚げ物も絶品!

プレゼン後は、「ReBaker」で調理した様々な料理を試食させてもらいました。まずは寺尾社長が溺愛する「まるごとソーセージ」から。なるほど、表面はサクッと香ばしく、パンの内部はふわっとしてモチモチ。ソーセージや辛子マヨネーズにも適度な熱が入っており、確かにこれは過去イチといえそうな美味しさです。

↑「まるごとソーセージ」を試食。ふわっとふくらむ理由は、絶妙にゆっくり加熱することで、小麦でん粉のアルファ化がゆっくり進むからだそう

 

「フライドモード」で特に印象的だったのは、フライドポテトです。調理後に「ReBaker」から出てきた瞬間の香りは、揚げたての美味しい油の風味でした。食感も表面サクサク中身ホクホクで絶品! この仕上がりに関しても、「ReBaker」独自の優位性があるとのこと。

↑調理したてのフライドポテト。揚げ物はクシャッとさせたアルミホイルを敷くことで、溝に油を落として余分なオイルをカットするとともに、庫内を清潔にできるとのこと

 

それは、二度揚げにならない温度帯で仕上げる温度制御の妙。一般的な揚げ油の180度より低い温度で、ゆっくりと内部を温めながら、表面の水分を飛ばすように熱を入れていくのだとか。また、「フライドモード」は、唐揚げやコロッケなどの厚みのある食材でも衣を焦がさないようアツアツにできるといいます。

↑コロッケは衣がサクッとしていて中はしっとり

 

トーストはドライでサクサクの食感に

「ReBaker」はスチーム機能こそないものの、「トーストモード」や「チーズトーストモード」は実装されており、「トーストモード」によるトーストも試食させてもらいました。あくまでも筆者の記憶との比較ですが、「BALMUDA The Toaster」の「トーストモード」のようなしっとりさっくり感はないものの、ドライで美味しいサクサクの食感で、これはこれで十分美味しいと感じました。

↑「ReBaker」の「トーストモード」で焼いた食パン。「BALMUDA The Toaster」のスチームなしで調理すると、このように仕上がるんだろうなと想像できる食感でした

 

「BALMUDA The Toaster」のスチーム機能は、パンをしっとりサクサクに温めてくれる独自性のある機能ですが、調理前に水を補給する作業を手間と感じる人もいるでしょう。「ReBaker」はそんなズボラ派にオススメ。また、食パンはあまり食べない、スチーム機能をほぼ使わない、というハード系パンの愛好家にもオススメです。

↑「ReBaker」が得意とするリベイクメニューは多彩

 

というわけで、機能がシンプルかつ「BALMUDA The Toaster」より価格が5500円安いこちらのほうが刺さるという方もいるでしょう。特に新生活を始める方は、ぜひチェックしてみてください。

 

なお、バルミューダは同時に新作のオールシーズンファン「GreenFan Studio」も発表したほか、2024年の秋にも新商品の発表を予定しているとか。引き続き注目です!