年金月5万円でひとり暮らしを楽しむブロガー・紫苑(しおん)さん(72歳)。送料無料につられて不要なものまで購入しがちなネットショッピングの習慣を見直すことに。支払はできるだけ現金に。キャッシュレス決済は自治体独自のものしか使いません。自身の節約生活について語ります。

支出グセを見直し。キャッシュレス決済は控え、現金払いで

著書やブログで月々の支出を公表している紫苑さん。節約生活に入る前の支出と比べて、とくに減らせた費目は食費でした。

【画像】72歳ひとり暮らしの支出表

・食費は節約前(2016年)2万5000円→(2023年)8867円! なんと1/3に!

・水道・光熱費も1万5000円→7870円と半減

・娯楽・教養・書籍代は3万円から3000円に

・美容・ファッション費は2万円から0円に!

「本は図書館などを積極的に利用するようになりましたし、ファッション関係もほとんど買わなくなりました。欲しいと思わない、というより、あるものを活かす楽しみに目覚めたのが大きいですね」

レシートは食費とその他(日用品など)に仕分け。集計結果はブログに書いて、レシートは破棄。ブログが記録になっています。支払いは自治体のキャッシュレス決済「〇〇ペイ」を使うと、ポイント還元されてお得に!

節約は辛くない!それは考え方ひとつでした

節約生活も3年目。辛いと思ったことはないのでしょうか。

「はじめは失敗ばかりでした。エアコンをケチって熱中症になりかけたり、健康と節約の両立が大変でした。欲しいものが見つかると、必死でガマンしたり。でも、そういう衝動的な買い物って、買った瞬間がピーク。手に入ると熱も冷めてしまうんですよね。その点、手もちの服のリメイクなら、アイデアが浮かんだときは、買い物以上の興奮が(笑)。考え方ひとつでこんなに変わるものかと自分でも驚いています」

紫苑さんが意識したのは「買えない」から「買わない」へとシフトチェンジすること。

「『自分の意志で買わないのだ』と考えたら、不思議なほど『自分をコントロールできた!』という満足感が得られたんです」

お金をかけなくても自分を大切に暮らすことはできる。そう気づいた瞬間から、節約はどんどん楽しくなり、お金についても考えられるようになったといいます。

お金がない! だったらその分、頭と手を働かせる! いままで「買うこと」で解決してきたことを、知恵と工夫で解決するようになった今、お金で買えない充実感があります。

『ゆとりある日々を過ごしている人の素敵なお金の使い方 2024年度版』(扶桑社ムック)では、今回紹介した以外にも、自分らしいお金の使い方で幸せに暮らしている人たちを紹介。そのほか、年金のもらい方、老後の安心な住まいなど、プロのアドバイスも満載です。