Appleの研究チームが2024年2月8日、大規模言語モデルを活用して、静止画をアニメーション化するAIツール「Keyframer」を発表しました。

Keyframer: Empowering Animation Design using Large Language Models

https://arxiv.org/pdf/2402.06071.pdf

Apple researchers unveil 'Keyframer': An AI tool that animates still images using LLMs | VentureBeat

https://venturebeat.com/ai/apple-researchers-unveil-keyframer-an-ai-tool-that-animates-still-images-using-llms/



Apple is developing an AI tool for animating images using text prompts - The Verge

https://www.theverge.com/2024/2/14/24072917/apple-keyframer-ai-animation-tool-2d-images-text-descriptions

OpenAIの大規模言語モデル・GPT-4をベースモデルとして利用するKeyframerでは、ユーザーからアップロードされたSVGファイル形式の画像を用いて、ユーザーが入力したテキストプロンプトを実現するためのCSSコードを生成するとのこと



ユーザーはKeyframerに対し「画像をアップロードする」「テキストプロンプトを入力する」「『生成』をクリックする」の3つの手順を踏むだけで、静止画からアニメーションを作成することが可能です。

Appleによるデモでは、「星をきらめかせる」などのプロンプトを入力することで、背景が変化する様子が示されています。



また、ユーザーはアニメーションに使用されるカラーコードやアニメーションの長さなどのプロパティを自由に調整することが可能です。その際、Keyframerはユーザーが行った変更を自動的にCSSに変換するため、複雑なコーディングの知識は不要とのこと。また、CSSコードを直接編集することも可能です。

Appleは「Keyframerは、生成された出力のプロンプトと、直接編集の組み合わせにより、アニメーションのさらなる探求と改良をサポートします」と説明しています。



AppleによるKeyframerのテストに参加したというあるプロのモーションデザイナーは「自身の仕事がKeyramerに取って代わられることを心配しています。それほどKeyframerの可能性は大きいです。私たちはKeyframerをアニメーション制作のひとつのツールとして使用していくつもりです」と述べています。

一方でAppleは、今回行われたKeyframerのテストがわずか13人という小規模の調査に終わったことや、ツールのテストの際には、事前に選択された2つのSVGファイル形式の画像しか使用できなかったことを指摘しました。

またAppleは、Keyframerがシーケンスの読み込みやデータの視覚化、アニメーション化されたトランジションなど、ウェブベースのアニメーション製作に焦点を当てており、映画やゲームで見られるような複雑なアニメーションを現段階では製作できないと明かしています。

なお、Appleは生成AI分野への注力を表明しており、実際に2024年2月には画像編集AIモデル「MGIE」をリリースしています。

Appleが言語で指示するだけで写真を編集してくれる画像編集AIモデル「MGIE」をリリース、デモも公開されたので使ってみた- GIGAZINE