ライフスタイルやお金の価値観など、定年後ではも大きく変化することも多々あります。家事アドバイザーで家計簿歴45年の山崎美津江さんは、家計簿をつけることで生活の質が変わったといいます。ここでは、スマホやパソコンで管理できるようになった家計簿の魅力を教えてもらいました。

山崎美津江さんの「崎」は、正しくは「たつさき」

【写真】家計簿はパソコンで管理

家計簿をつけてお金の動きを「見える化」

家計簿をつけ続けて45年以上の山崎さん。継続するのはなかなか大変そうですが、「予算の範囲内でやりくりするおもしろさに目覚めればこっちのもの。昔と違って今はデジタルなので、入力すれば勝手に計算してくれる。ずいぶんラクになりましたよ」(山崎美津江さん、以下同)。

始めれば家計が見える?年末には1年の集計も

副食物費(魚、肉、野菜など)、主食費(お米、パンなど)、調味料費(塩や砂糖、お酒)、光熱費、衣料費…。初めはその細かさにたじろぎますが、しばらく記録してみると、生活の実態が見えてきます。1年分をまとめてみると、さらに課題が鮮明になる仕組みです。

家事室の書棚に保管されている45年分の家計簿。山崎家の歴史がすべて、家計という数字で記録されています。

今はスマホやパソコンで簡単に管理できます

パソコンやスマホでクラウド管理できる家計簿(婦人之友社・kakei+=カケイプラス)を使用。家計用口座をひもづけておき、買ったもの(品名)、費目、数量や重さ、金額、買った店の名前などを入れるだけで、パッと計算できます。

kakei+はスマホとも連動。費目ごとの月予算ほか、前月からの繰越金や残高が出先でもひと目でわかります。

お金や将来のことで、不安だったことと解決法

年金を受け取ったら、生活に使う分を各自の銀行に移して、それぞれが管理。残りは貯蓄用口座に移動。こちらは簡単に引き出せないよう、家から遠くの銀行にして、貯蓄をしっかり守っています。

●不安だらけだった新婚時代。家計簿で生活の質が変わった

家族旅行に行きたい、子どもに習い事をさせてあげたい…思いばかりが募った新婚時代。家計簿らしきものはつけてみたものの、日々の暮らしは「行き当たりばったり」だったと言います。

「常に不安で、使うべきときにも見きわめができない。でもあるとき、近所のママ友が“今月は予算オーバーだわ”と話すのを聞いて初めて、予算に基づいて管理することを知ったんです」

合理的な家計の管理法を学んでからは、価値のあるお金の使い方がわかるように。余暇を楽しんだり、新たな勉強に挑戦するなど、生活の質が変わっていきました。

「80代になってからつけ始める人もいます。始めてみれば、きっと暮らしが変わりますよ」