人生100年時代。長生きできる! と素直に喜べなくなっているのは、きっと将来に不安があるから。そこで、心豊かに暮らしている人をクローズアップ。スパイス料理研究家の吉山武子さん(81歳)は、85歳になる夫の介護生活中。「介護する側の健康も大切に」という吉山さんに食生活を詳しく教えてもらいました。

「料理も介護も、愛情がなくちゃできないこと」。スパイスやハーブをいかに日本の暮らしに取り入れるか、長年研究を続けてきた吉山さんの食生活には工夫がいっぱい。高級な食材は使わなくても、安心安全で体によいものを。そのためにはお金も研究する努力も惜しみません。

【写真】調理に使う油も健康に役立ちそうなものを厳選

朝ごはんはワンプレートに盛りつけられたスパイスをたっぷりと

左手前のご飯はカルダモンやしょうが、ターメリックを入れて炊いたもの。右手前は、炒り卵と炒め玉ねぎを合わせたところに、バジルやオレガノなどをブレンドした「イタリアンミックスのドライハーブ」で香りづけ。

季節野菜を藻塩を加えた熱湯でボイルしたものや大豆の煮豆も。山芋のすりおろしに、黒ゴマ、ミントを添えて。デザートのバナナは焼いてアガベシロップ(穏やかな甘さの甘味料)とシナモンをふったもの。

野菜を無駄なく食べきるために、冷蔵庫には「なんでもピクルス」

80代、食べる量も若い頃とは違います。買ってきた野菜類を無駄にしないために、冷蔵庫に常に置いているのが、自己流「なんでもピクルス」。市販のラッキョウのつけ汁も野菜の残り物も、そのときあるものをどんどん追加。キャラウェイシードなどのスパイスも加えます。

シニア2人暮らしのキッチンは動線にも工夫を

増改築の際、夫・進夫さんの様子がすぐわかるように、キッチンは居室のすぐ脇に。シニアの2人暮らし、火災の危険も考えて熱源はIH調理器具にしました。

こだわりの食材は無添加のものをお取り寄せ

「安心できない食材は使いたくないんです。高級品じゃなくてもいいから、体にいいものを。少量でも満足できる味を目指しています」と話す吉山さん。

調理に使う油は厳選して。主食のお米や調味料の塩なども無添加や天然由来のものをお取り寄せしたり、健康維持に役立ちそうなものを選びます。

グレープシードオイル(左)は高温でも変質しにくいので揚げ物に。オリーブオイルはサラダなどに。姪御さんの食品会社で扱っているココナツオイルは料理全般に使っています。このほか、ごま油も無添加有機製品を心がけています。

 

『ゆとりある日々を過ごしている人の素敵なお金の使い方 2024年度版』(扶桑社ムック)では、今回紹介した以外にも、自分らしいお金の使い方で幸せに暮らしている人たちを紹介。そのほか、年金のもらい方、老後の安心な住まいなど、プロのアドバイスも満載です。