快適に暮らせるよう、設計時にどこにどんなタイプの窓をつけるか、しっかり検討しましょう。1年前にハウスメーカーで注文住宅を建てた日刊住まいライターは、断熱や気密のことも考慮しつつ、窓を厳選して設置することにしました。それでも、後悔している窓が2つ。それは和室の高窓と、吹き抜け上部につけた窓です。なぜ「残念すぎる窓」になってしまったのか理由を語ります。

家づくりでは目的が明確な窓だけつけたはずが…

筆者は妻と子ども3人(6歳、4歳、2歳)の5人家族。それに3匹のネコと暮らしています。1年ほど前に、上の子の小学校入学に合わせ、ハウスメーカーで注文住宅を建てました。

家づくりでは、目的が明確な窓だけに絞って取りつけました。以前は、通風や採光のために、窓は多い方がいいといわれてきましたが、近年、断熱気密を考えると、窓をつけすぎはよくないという話もよく聞くからです。

そんなわが家でも、後悔している窓が2つあります。その理由をレポートします。

 

まったくあけない和室の高窓はFIX窓でよかったと後悔

まず、1つ目の窓は和室の高窓(写真)です。高窓とは、ハイサイドライトとも呼ばれる、高い場所に設ける窓のこと。

わが家では家の北側に面する小上がり和室に、採光、眺望を目的にした高窓として、横すべり出し窓を2つ設置しました。

どうして設計時に横すべり出し窓にしたかというと、「高窓は効率的な通風が可能だから、もしかしたらあけるかもしれない」という安易な理由です。

結果として、入居して半年間ほとんどあけることはありません。基本的には換気システムが換気してくれていますし、窓をあけて換気したい場合でも、リビングの窓をあければ十分、かつ開放的だからです。こんなにもあけない窓なら、気密性を考えてFIX窓にすればよかったと後悔しています。

まぶしくてたまらない吹き抜けの窓には大後悔!

わが家の吹き抜けにある窓は、カーテンやロールスクリーンがついていません。本当はFIX窓を希望していました。しかし、このサイズの取り扱いがないとのことで、横滑り出し窓になっています。

上の写真は、2階から吹き抜けを介して見える景色。リビングにいても光が入り、庭のアオダモや、山々の眺望を切り取ってくれるお気に入りの窓です。

 

しかしそんな窓にも、後悔していることがあるのです。太陽高度の高い夏場は、昼の時間帯に、この窓からリビングに真っすぐ日が入ります。そのときはリビングがまぶしすぎて、ゆっくりとくつろぐことができません。

昼食前後にテレビの前に座ってテレビ番組視聴、ゲームや映画を見ようにも、光が強すぎてまぶしいです。それだけでなく、テレビ画面が反射したりして見づらいことも。

コスト削減のために、カーテンやブラインドなどで、遮光対策を行わなかったことが悔やまれます。

 

シャッターやスクリーンをつけるには大きな出費が

「だったら後づけでカーテン類をつければいいのでは?」と思われるかもしれません。しかし、住んでからの取りつけとなると、費用もかかります。工事自体も簡単なことではないのです。

高い位置にある吹き抜け窓なので、シャッターやロールスクリーンを取りつけるとなると、以下の2つの問題が出てきます。

1.高所作業になるので、費用が割高になる
2.電動で開閉するとなると、新たに電気配線が必要

まず、吹き抜けの窓は高所作業になるため、危険性や作業の正確性を考慮するならDIYはムリで業者が必要になるでしょう。

業者に依頼するにしても、高所作業は追加でコストがかかるのが一般的です。簡易的な足場をつくって作業することになれば、さらに高額になっていきます。

2つ目の問題は電気経路についてです。高所の窓になるので、自動で開閉させたいところ。しかし、壁内に電気配線を準備していません。

そのため電動機器を設置する場合は、電源ケーブルを壁にはわせて電源タップまで届かせる必要があります。せっかくきれいな壁面になるように設計したのに、それはやりたくありません。

かといって、壁内に電気配線を伸ばして新たにコンセントを用意するとなると、工事が大規模になってしまいます。子どもも小さく、新築したばかりなので、そこまで大規模な工事はやりたくないのが本音です。

吹き抜け窓の場合、電気配線の検討が必要だった

家づくりで窓の位置を検討するときは、「本当にこの場所なのか?」を、再度チェックをした方がいいと思います。そして必要な場合でも、どんな種類の窓がいいか検討すれば、わが家のような後悔を防げるはず。

また、吹き抜けに窓の設置を検討するときは、最初から電動シャッターや、電動スクリーンをつけることも検討した方がいいと思います。

もし、「暮らしてから検討したい」という方の場合でも、設計担当者に相談し、窓付近に電気配線だけでも、用意しておくことも検討を。わが家もそうしておけば、比較的に容易にこの問題は解決できたと思っています。