日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。主婦の沙織さん(仮名・45歳)は夫のDVとセックスレスに悩んで別居。しかし自分だけの収入では家も借りられず、心が折れてしまったところに夫がやって来ました。よりを戻すしか選択肢がなかったという沙織さんでしたが、同居再開後、夫に女の影が…。

同居再開の課題はDVの記憶。「夫にはチャンスがあった」

夫のDVに悩んで、実家へと身を寄せた沙織さん。自立を目指すも、少ないアルバイト収入しかない母子暮らしという弱い立場では家すら借りることができず。実の父親との確執もあり、実家の居心地の悪さを感じていたとき、夫が「反省したから帰ってきてほしい」と迎えに来ました。

●DVの館には戻れません!

現実的に夫と同居することが最善策だと考えた沙織さんでしたが、気持ち的には、DVに悩んだ元の家へ戻ることに強い抵抗感があったといいます。

「結局、家族がそろった家庭をつくりたいと自覚したんです。ただもう自宅はDVの館みたいな存在だったので、夫に『本気で心を入れ替えたのなら、引っ越しをしてほしい』と言いました。それで近くに売り出していた中古の戸建てを買うことになったのです。『もう絶対にDVしません』って言われても半信半疑でしたが、家の買い替えは、夫は夫なりにきちんと心を入れ替えてくれいるんだなと誠意を感じました」

本気で家庭を立て直そうと思ったのは、沙織さんも一緒。「もしこのタイミングで夫に求められたら断らなかった」と振り返ります。

●新しい家で夫婦関係も再スタート…のはずだった

しかし、夫が沙織さんを求めてくることはもうありませんでした。

「夫にはチャンスがあったと思うんですけれど…、その気がなくなったのかな。私も私で自分からしたい素振りを見せることはありませんでした。夫は娘たちの子育てにも積極的に関わるようになり、家族としての再スタートは上手にできたけれど、夫婦関係の再構築はそんなに単純なものではなかったんです」

キモすぎる。浮気より最悪な夫の性癖

新居に移ってから、生活も軌道に乗ったある日。夫のスーツをクリーニングに出そうとしたところ、ポケットに入れっぱなしのカードを見つけてしまいました。

「キャバクラのお姉さんの名刺とかだったらまだマシですよ。夫は複数の男女で関係をもつようなお店に出入りしていたんです。私はそういうお店の存在も知らなくて、ネットで検索してびっくりしました。超気持ち悪い。完全に終わったと思いました。夫がそういう性癖だと知って、この日を境に好きとか嫌いという感情すらなくなりました。ただの同居人。一緒に暮らしているだけ。あれから10年以上経った今も、その状況は変わりません」と沙織さん。

●女性と遊んでいるけれど相手にされていない夫

夫に対して怒りも悲しみも感じないから、問い詰めることもせず、そのまま放置したそう。妻にバレていることに気がつかない夫は、自分の部屋で女性と電話していたこともあったといいます。

「床のふき掃除をしていて夫の部屋の前を通りかかったときに、つい聞こえてしまったんです。性的な内容の会話をしていて、相手はそういう関係の女性なんだなと思いました。ただ、敬語で一生懸命話していて、女性サイドにはそんなに相手にされていないんじゃないかなと察して、笑いそうになってしまいました」

夫は沙織さんと行為はないものの、ほかの女性と関係はもち続けている様子。以前は夜食を食べたり不健康な生活をしていたにも関わらず、いかがわしいお店への出入りを始めるようになってから、ヨーグルトや納豆を食べたり、筋トレをするなど、スタイルの維持と健康管理に余念がないそう。しかし、夫がどこでなにをしていようと、もう沙織さんはどうでもよくなったといいます。

●完全に愛が消えたままの同居生活

「一人では家も借りられなかったから、一緒にいるだけ。現実的な選択をしたまでです」と、夫との割りきった関係を続けながらも十数年が経過し、愛がないながらも傍から見たら安定した家庭を築き上げていきました。しかしコロナ禍をきっかけに、また夫婦の関係に微妙な変化があったといいます。そのお話はまた次回。

パートナーからの暴力のほか、怒鳴る、侮辱する、脅すなどの行為、また性行為を強要する、避妊しないこともDVに相当します。警察のほか、以下の相談窓口も利用できます。
DV相談ナビ #8008(はれれば):急ぎの場合(配偶者暴力相談支援センター)
DV相談+(プラス)0120-279-889(つなぐ はやく)