©︎IMAGO/MIS

 ユルゲン・クロップ監督が今シーズンいっぱいをもって、リバプールFCを退任することが金曜日に発表された。クラブ側の声明によればドイツ人指揮官は、レッズと2026年までの契約を締結しているにも関わらず、この夏をもって辞任する意向を上層部に伝えており、「多くの人々にとってショックなことかもしれない」と同氏はコメント。

 「この街、ファン、選手たち、スタッフ含め、このクラブの全てを心から愛している」ものの、それでもこの夏に終止符を打つことを決意。体調面での問題は特にないようだが「なんといえば良いか、エネルギーがなくなってきたという感じなんだ」と言葉を続けている。「長く次の契約や夏の合宿などについて話しているうちに、ふともうここにいるか不確実な気持ちになり、それは私自身も驚いたことだ」

©︎Liverpool FC via Getty Images

クロップ監督「妻に1年間の休養を約束」

2019年にCLで優勝を果たし、さらに2020年には1990年以来となるプレミア制覇に導くなど、名門再建を見事なまでに果たしていたクロップ監督。ただ昨シーズンはチャンピオンズリーグ出場権を逃すなど残念な1年となり、「そこでこのチームを再建する、その手助けをするということが私の中で本当に、とても大切なことだったんだ」と強調。「非常に多くの人がクラブにとって最善の答えをみつけるべく働いており、チームは見事にまとめられ、誰が次にきても本当に良いサッカーができる、その十分な基盤があると思える。それが私にとって重要なことだった」

 そして「リバプールは世界最高のクラブであり、スカウザーになることは私ができた最高のこと。ただここでの仕事には責任が伴うため、常にベストを尽くせるベストの自分でなくてはならない。中途半端は許されないし、私の力にも限界はある。シーズンの準備は本当に多岐に渡るもので非常に大切なこと。それができなくなった時、ちゃんとそのことを伝えなくてはならない」と述べ、「それができるのは自分以外にほかにはなく、今はこれが正しいことだと思えるんだ。ただシーズンの最後までここにいるし、力の限りを尽くす。最大限の成功をおさめるため、受け入れてくれた選手たちとさらに成長していきたい」と語った。

 それを果たして今季またプレミア首位に立つ躍進を見せた時、改めて自らのことを顧みて「この結論が導き出された」と明かした。なお今後についてはクラブシーンや代表シーンなど、さまざまな憶測が飛び交うことが予想されるが、ひとまず1年間の休養に入ることを妻に約束しているようで、またリバプールの夏以降の後任人事についても現在は不透明なままとなっている。「ただ私がイングランドで別のクラブで指揮をとることはないよ。いかに食うことに困るような事態に陥ったとしてもね!」

©︎IMAGO/regios24

コーチ陣とともに、シュマッケSDも退任

 ユルゲン・クロップ監督とともにアシスタントコーチのペピン・ラインダース氏、ペーター・クラヴィーツ氏、ヴィトール・マトス氏もまたシーズン終了後の退任することが発表され、またイェルグ・シュマッケSDも今冬の移籍期間をもって退任。クラブオーナー「フェンウェイ・スポーツ・グループ」のゴードン社長は「監督や我々競技部門のサポートという両面において貴重な貢献をしてくれた」と労った。

 ジョーダン・ヘンダーソン、ファビーニョ、ナビ・ケイタ、ジェームズ・ミルナー、アレックス・オックスレイド=チェンバレンらがクラブを去った一方で、アレクシス・マック・アリスター、ドミニク・ショボシュライ、遠藤航らを獲得し、ジェイミー・キャラガー氏から酷評された補強策だったのだが、それを現在プレミアリーグ
首位という形で見事に反証。クロップ監督とともに有終の美を飾ろうとしている。