交通死亡事故者がついに増加に転じた…2024年は「あの取り締まり」激増が予想される
先に申し上げておく。警察庁の発表は基本的に24時間以内の死者数だ。1分でも超えればカウントされない。また、死亡に至らなくても大変な後遺障害を負うことがある。外見ではわからないものに「高次脳機能障害」がある。交通事故で脳に損傷を受け人格が一変、ふとしたことで爆発的に暴れたり、万引きをくり返したり、そんな裁判も私は傍聴してきた。しかし今回は死者数のみを取り上げる。お許しいただきたい。
戦後、交通事故の死者数は2度ピークがあった。1度目は1970年で1万6765人。「交通戦争」と呼ばれた。2度目は1992年で1万1452人。「第二次交通戦争」と呼ばれた。その後どんどん減少。政府は2021年3月発表の「第11次交通安全基本計画」で、2025年までに死者数を2000人以下にすると目標を掲げた。
いくらなんでも無茶な目標? いや、当時の死者数の減少ぶりはこうだった。
2017年 3694人(前年比-210人)
2018年 3532人(-162人)
2019年 3215人(-317人)
2020年 2839人(-386人)
2021年 2636人(-203人)
2020年の大幅減は新型コロナの影響かと思われるが、コロナ前の2019年は-317人だ。2022年、2023年、2024年、2025年、平均150人ずつ減れば2000人に届く。十分に実現可能と思えた。実現すれば大変な快挙、壮挙だ。
■目標の「2000人」が達成困難?
ところが2022年、たった26人の減少にとどまった。そして2023年、68人の増加に転じたのである。都道府県別に見ると、上位はこうなっている。
1位 大阪 148人(前年比+7人)
2位 愛知 145人(+8人)
3位 東京 146人(+4人)
4位 北海道 131人(+16人)
5位 千葉 127人(+3人)
大阪は3年連続1位だ。大阪といえば、横断歩道や通行帯の区画線などの道路ペイントが、かすれて消えかかっているどころか、ほぼぜんぶ消えている! そんな画像をSNSでよく見かける。「まさかでしょ。フェイク画像?」と私は首をかしげていたが…。
とにかく、このままでは「2025年までに2000人以下」は達成困難だ。どうする。いちばん手っ取り早いのは、取り締まりの強化だろう。
可搬式オービス(ネットでは「移動式オービス」とよく呼ばれる)による速度取り締まりや、飲酒運転の検問など、テレビが“絵にしやすい”取り締まりを増やす。テレビで全国報道されることの広告効果は何億円ぶんにも相当とするという。そうした報道に啓発されて安全運転になる者もいるはず。なにより「警察は事故抑止のため本気で頑張っている」とアピールできる。
