美人勝負師の最終結論
熊江琉衣〜朝日杯FS編


朝日杯FSの予想をしてくれた熊江琉衣さん。photo by Imaizumi Kakeru

 2歳GIが続く中央競馬。先週のGI阪神ジュベナイルフィリーズでは、アスコリピチェーノの単勝をゲットすることができました!

 とはいえ、ゴール前では2着ステレンボッシュが猛追してきたので、とてもハラハラしました。クリストフ・ルメール騎手(ステレンボッシュ騎乗)は、本当にすごい......。この秋は、そのことを痛感させられています。

 さて、今週行なわれる2歳GIは、朝日杯フューチュリティS(12月17日/阪神・芝1600m)。私の本命は、ジャンタルマンタル(牡2歳)です。

 新馬(10月8日/京都・芝1800m)、GIIデイリー杯2歳S(11月11日/京都・芝1600m)と連勝していることはもちろん、馬体を見ると筋肉量があって、とにかくパワーを感じます。馬体面では、この馬が頭ひとつ抜けているんじゃないかな、と思っています。

 また、今回は鞍上が川田将雅騎手にスイッチ。全国リーディング2位(12月16日現在)で、この秋もGI2勝を挙げている同騎手に手綱を任せることに、陣営の本気度を感じるんですよね。

 前走でも逃げ馬の一列後ろを追走して、直線で抜け出したジャンタルマンタル。そうした脚質も川田騎手に合っていると思うので、今回も好位から鮮やかに抜け出して、そのまま押しきってくれるのではないでしょうか。

 ただ、そのジャンタルマンタルの後方に構えて、鋭い末脚を生かして差しきりを狙う伏兵にも怖さを感じています。その候補となるのが、対抗にしたクリーンエア(牡2歳)です。

 この馬が気になるのは、前々走のGIII新潟2歳S(8月27日/新潟・芝1600m)の内容がよかったこと。勝ったアスコリピチェーノと同じく、中団から伸びてコンマ3秒差の3着と好走しました。

 直線を迎えた時にはアスコリピチェーノのすぐ後ろにつけていたのですが、同馬は馬群のなかにあって、追い出しのタイミングが若干遅れたように見えました。もし、勝ち馬と同じタイミングで仕掛けることができていたら、あるいはもう一列前のポジションにいれば、勝ち負けを演じられたのではないかと思っています。

 その後、アスコリピチェーノは阪神JFを制覇。その比較から、この馬のレベルも高いはずです。そして今回、鞍上を務めるのは鮫島克駿騎手。過去2戦で手綱を取ってきたジャンタルマンタルに乗れない悔しさを、ここにぶつけてほしいですね。

 かなりの人気薄となりそうですが、まだ実績の少ない2歳馬同士の戦い。人気にとらわれず、自分の感覚を信じたいと思います。

 ▲はオーサムストローク(牡2歳)。ゲートセンスがよく、常に先行できるのが強みです。

 前走の1勝クラス・ベゴニア賞(11月26日/東京・芝1600m)でも、2番手から33秒3という速い上がりをマークして快勝。1勝クラスとはいえ、好メンバーがそろった一戦でしたから、この馬の能力の高さを示せたと思います。

 さらに、同馬はここまでの4戦で、札幌、中山、東京で走ってすべて3着以内。どの競馬場でも好走できる安定感と、その経験値は頼もしい限りです。それを考えれば、初の阪神コースでも心配はいりません。

 同馬も今回は乗り替わりとなりますが、新たにコンビを組むのは坂井瑠星騎手。レモンポップでGIチャンピオンズCを勝つなど、今年も好調です。こちらも人気はなさそうですが、一発への期待が膨らみます。

 ☆はミルテンベルク(牡2歳)です。この馬も穴っぽい存在ですが、デビュー3戦ですべて違う競馬場を走って、阪神の新馬戦(6月11日/芝1200m)で1着、小倉のGIII小倉2歳S(9月3日/芝1200m)で2着と結果を残しています。

 前走のGII京王杯2歳S(11月4日/東京・芝1400m)では5着に敗れましたが、折り合いを欠くシーンもあり、スムーズならもっと上位を狙えたと思います。今回、手綱を取るのは、バウルジャン・ムルザバエフ騎手。力強く追えるジョッキーですから、巻き返しがあってもおかしくありません。

 最後にもう1頭、△ダノンマッキンリー(牡2歳)を抑えたいと思います。理由は、ルメール騎手が騎乗するから。それだけで、どうしても外すことができませんでした(苦笑)。

 人気どころのシュトラウス(牡2歳)をはじめ、武豊騎手騎乗のエコロヴァルツ(牡2歳)、強力な逃げ馬セットアップ(牡2歳)なども力はあると思うのですが、気になる馬を挙げ出したらきりがなかったので、今回は以上の5頭に絞りました。

 馬券は現状、印をつけた5頭の3連複BOXと、本命のジャンタルマンタル、対抗のクリーンエア、▲のオーサムストロークのいずれか1頭を軸にして、印をつけた馬へ流す馬連勝負で考えています。

"穴馬"が多くなりましたけど、いまだ成長過程にある若駒の争いですから、何が起こるかわかりません。激戦必至のレースになることは間違いなく、阪神JF同様、手に汗握るゴール前の熾烈な攻防を楽しみにしたいと思います。