圧倒的に邪魔な奴

そんなつぶやきと共に、立ちすくみそうになる光景がX(ツイッター)上に投稿された。

こちらは、Xユーザーのウシマサ(@u4_masa)さんが2023年12月4日に投稿した写真。

真っ赤な落ち葉に埋め尽くされた1本道。まるでレッドカーペットのようできれいだ。しかし、道の真ん中には侍が座っている。

「圧倒的に邪魔な奴」とはこの侍のことだったのだ。横を通ろうとしたら、切りかかられそう。

アクションゲームさながらの迫力を感じる1枚に、ユーザーからはこんな声が寄せられている。

「対決しないと通していただけない感じ?!」
「戦わずに済めば、と思ったがどうやらそうはいかんらしい」
「ここを通りたければ俺を倒して行け!」

この甲冑侍は、一体......? Jタウンネット記者は8日、ウシマサさんに詳しく話を聞いた。

侍になって全国を飛び回り...

ウシマサさんは話題の写真について、兵庫県内にあるお寺で、2022年11月ごろに撮影したものだと説明する。当時を振り返り、こう語った。

「綺麗な紅葉と撮りたいと思っておりました。なるべくご迷惑をかけないように朝一番に行ったのですが、想像していた以上の美しい景色にもの凄くテンションが上がりました。」

そう、甲冑侍の正体は、ウシマサさん自身なのである。

ウシマサさんのX上でのアカウント名は「ウシマサ / 甲冑侍」。自己紹介として「甲冑でウロウロしてる人」と記されている。そして、メディア欄に並ぶのは、寺や城、滝や海、時にはブランコや証明写真機と一緒に写る甲冑侍の写真の数々。甲冑侍として、各地に出没しているようだ。

ウシマサさんはなぜ、いろんな場所で甲冑侍になるのか。スタートは、所属している姫路城甲冑隊の活動の様子を発信するためのSNS投稿だった。姫路城甲冑隊とは、姫路城周辺で甲冑を着て、観光を盛り上げようとする団体だ。

「今では全国のカメラマンから撮影依頼がありますので、その要望に応える形で全国飛び回っております。甲冑を着るようになってから10年以上になります」

富山県の雨晴海岸で撮影されたこの1枚は、ウシマサさんのお気に入りのひとつ。刀を下ろし水辺に反射している姿がかっこいい。

「地元の方によると普段は水面にリフレクションが綺麗に写ることが珍しいらしく、いいタイミングで撮りに行けたと思っております」(ウシマサさん)

甲冑侍は今日も日本のどこかで、迫力満点の光景を生み出しているのかもしれない。