2023年11月3日に福井県初のドスパラ店舗となる「ドスパラ福井日之出店(以下、福井日之出店)」がオープンしました。前日の内見会とオープンの様子をレポートします。

2021年11月にオープンしたドスパラ座間相武台店より前のドスパラの店舗(現在は札幌、秋葉原、八王子、町田、川崎、横浜、千葉、大宮、浜松、名古屋、大阪、京都、神戸、広島、博多、新潟店が該当)は比較的「大都市の駅チカ」でした。

しかし、それ以降、サードウェーブは、地方都市のロードサイドやショッピングモールに、年間10店舗ペースでオープンしています。特徴は、実展示を含めた製品の体験ができること。面積が比較的大きいことも魅力です。

防音室やレンタルの配信ブースを備えた店舗もあり、ほかのパソコンショップにないユニークな試みも行っています。今回の福井日之出店も、新しい試みを追加したショップでした。

福井県初となるドスパラ福井日之出店。見慣れない案内がありますが、これは最後に紹介します

○おっきな店舗にゆったり展示のドスパラ福井日之出店

営業時間は11時30分から20時まで、中古買取は19時30分までで、定休日なしと、ほかのドスパラ店舗と同じ。展示アイテム数は約1,700、ショップ面積は約565平方メートルと、これまでのドスパラ店舗の中でもTOP10に入る広い部類です。

しかも、今回は駅チカ。えちぜん鉄道勝山永平寺線の新福井駅より徒歩4分、JR越美北線の福井駅から徒歩10分と、駅から歩いて行ける立地です(ちなみに秋葉原本店は秋葉原駅から徒歩5分)。JR福井駅から「京福バス すまいる東ルート」を使えば、岩井病院バス停から徒歩2分です。

車で行く場合は、県道114号日之出3丁目交差点付近。駐車場は20台用意されています。同施設の上が居住スペースなため、見かけの駐車場数はそれよりも多いですが、駐車可能なのは20台です。

以上のことから、公共交通機関でも車でも行きやすい店舗だとわかります。なお、ドスパラが入る前はトレーニングジム、その前は食品スーパーで、閉鎖されている裏の入口にスーパーだった名残が残っていました。

福井日之出店は最近のドスパラとしては駅チカ。車で行く場合は日之出三丁目信号が目標地点です

店の裏側にも入口の跡がありますが、ドスパラでは使えません

駐車場は20台ですが、居住者の駐車スペースがあるのですべては使えません

この規模の店舗の場合、従来は環境展示や企画スペースがかなりありました。が、福井日之出店はゆったりしたスペースを目指したようです。アイテム数が多い自作PC関連パーツは従来と同じ程度の密度で棚が配置されていましたが、それ以外は、通路のスペースを大きく取っていました。

環境展示は、入口すぐの企画展示(今回はバーチャルドスパラ店舗で、GALLERIAやraytrekパソコンを覗き込むと中の様子が見えるという趣向でした。内製とのことで、今後のバージョンアップも予定)と配信環境、フィッティングルームと3つだけでしたが、ゆとりがあるので今後変更があるかもしれません。

数が多く何を選べばいいかチェックしにくいゲーミングペリフェラルに関しては、数もさることながら、キーボード、マウス、ヘッドセット、マウスパッド等が実際に触れる形で展示されており、違いを確認しやすいのがポイント。それぞれのパーツだけでなく、まとめて実際のゲームで確認できる「フィッティングルーム」もあるので、トータルに確認できます。

久々にフロアガイドが用意されていました。PCパーツ以外がかなりゆったり配置されているのがわかります

入ってすぐは「旬体験」で、四季折々に変化するようです。左のパネルはオープニングセールの目玉商品

オープン時の展示はVRでPC環境を体感できる企画で、VR空間はドスパラで内製したとのこと

PC内部まで設計されており、このようにパソコンにぶつかると内部が見える趣向です。raytrekのフロントダストカバーが再現されていました

店舗入って左側はサードウェーブのオリジナルパソコンがズラリ

平台展示は、今回GALLERIAパソコン主体でraytrekは1台だけ。お絵かき環境の展示が別途用意されているためでしょう

珍しく格ゲーの展示も。スティック型コントローラーは販売していませんでしたが、Razerのスティックレスのコントローラー「KITSUNE」を販売しています

トータルな環境でゲーミングペリフェラルを試せるフィッティングルームは健在。今回はかなり大型のマウスパッドも試せるようになっています

アイテム数が多いうえに、ゆったりのゲーミングペリフェラル。手前は「ぶいすぽっ!」橘ひなのさんのパネル。推しの人は店舗でツーショットを!

マウス展示の反対側はマウスパッド類。サードパーティソールや最近人気のガラスマウスパッドも展示されており、試せます

ヘッドセット類も豊富に在庫しているだけでなく、主要製品は実際に試聴できます

ゲーミングペリフェラルゾーンを抜けると、自作パソコンのためのパーツ類がギッシリ。このエリアだけは従来通りの密度でした

壁に沿ってパソコンケースがギッシリ(撮影できませんがバックヤードには販売在庫もギッシリ)。手前のケースはドスパラオリジナルカラーです

PCパーツエリアからカウンター側に抜けると自作支援スペース「ドスパラボ」と小物パーツがズラリ。パーツを買って組み立てて動作確認をして帰ることができます

入り口の企画展示から奥に行くと、ゲーミングチェアと即納パソコンで、壁際に液晶が並びます。即納パソコンはGALLERIAだけでなくraytrekやTHIRDWAVE製品もありました

常設の企画展示はゲーム配信環境の1つだけ。配信者向けのプログラマブルスイッチ「Stream Deck」はミニタイプがつながっています

反対側には配信者向け製品

店員に伝えるとそれぞれの製品を実際に試せるようです

裏側は配信向けのマイク。マイクスタンドも併せての展示で迫力があります

THIRDWAVEのデスクトップパソコンも(おそらく)全種類展示で、これは珍しい

従来は平台で展示されていたペンタブ環境はコンパクトに移設されていました

今回、新規の展示内容がかなり増えました。去年あたりから生成AIがバズワードとなっていますが、Stable Diffusionを使用したAI画像生成や音声入力でのChatGPTの体験ができます。

一般ユーザーが無料で使える「新しいbing(≒ChatGPT4にbing検索のデータを加え最新の内容もフォローできて使いやすい)」ではなく素のChatGPTなので知らない人が使うと少々癖がありますが、それも含めて「話題になっていたChatGPT」に触れられるのは意義があると思います。

さすがにプロンプトエンジニアリング必須のStable Diffusionはプルダウンメニューの簡単体験となっており、4×4の16通りの指定しかできません。

今回の新要素としてAIが加わりました。何かと話題のChatGPTをマイク入力で試せます(展示機にはキーボードがありません)

お隣はStable DiffusionによるAIお絵かき。Stable Diffusionで真面目に絵を描かせるためには細かなパラメーター入力が必要ですが、ここは4種類の動物と4種類の背景をプルダウンメニューから選ぶだけと簡略化していました

リユース(中古)製品もかなり取りそろえられています。ゲーミングパソコンだけでもかなりあります

新規オープン時から中古パーツがあるのも結構珍しい部類。Xを見ていたら「ROGのRTX4080が11万で売ってて、いくらなんでも何かの間違いやろ!と思ったら美品の中古でした」という書き込みがありました

福井日之出店の店長は堀口昇平氏。富山本郷店からの異動で店長となり、以前は家電量販店での勤務経験があったそう。「リサーチしたところ、福井日之出店は幅広い年齢層が見込め、地域に密着した店舗を目指したい」と語っていました。

福井日之出店の堀口昇平店長。持っているのはドスパラオリジナルカラー「パステルパープル」のDEEPCOOL製ケース「本日から発売開始ですが、今なら即納です」

ケースファンとCPUクーラーもこの特別カラーが入庫しています

11月3日のオープン準備中。マイナビのお祝いの花は入口すぐ脇と目立つところに置かれていました

開店10分前ほど前からオープン特価品の引換券の配布が始まりました。先頭の方は朝8時から並んでおり、AMDパソコンパーツ一式を購入していました

本来の開店時間(11時30分)から1時間ほど前倒しで開店しました。写真は開店5分前ぐらい。そこそこ並んでいます

開店前に駐車場は満車

車誘導用の看板配備も初の試み

近隣のコインパーキングを購入額に応じて優待していましたが、Xで「すぐ近くにない」とつぶやかれており……確かに近くじゃないですね

ここからは開店後の店舗の様子を写真でお伝えします。





























○新サービス「デジタルドック」は発展途上

ドスパラ店舗案内に昨年から表示があったものの、なかなか詳細説明がなかった「デジタルドック」が、東京(中野)、京都、山形に続き店舗内店舗として開店しました。元々ドスパラ店舗では「他メーカーのパソコンでも簡単500円点検」など修理も対応しているのですが、デジタルドックはサポートに特化した新業態です。

担当者によると、ドスパラとは別の部署で、スタッフも原則別。現在はサービスメニューを構築中とのことで、元々はパソコンの修理を行うものでしたが、中野店(ここのみ独立した店舗となっており、中野駅から中野ブロードウェイに行く途中のアーケード商店街「サンモール」に位置しています)からビジネスのシーズをくみ取っています(当初パソコンサポートのみでしたが、スマートフォンの質問が多かったようです)。

スマートフォンのちょっとした設定に関しても「基本20分2,200円、延長10分1100円」で相談に乗ると説明していました。また、依頼人宅に出向いての設定作業等の出張メニューもあり、デジタル時代の何でも相談窓口を目指している印象を受けました。

今後は状況に応じて、新規、既存ドスパラ店舗内にオープン、独立店舗も想定しているようです(山形店は後から設定したようで、取材当日まで知りませんでした)。

今回、店舗に到着した時点で覚えた違和感……。ドスパラで「スマホ使い方相談」ですか?

さらに見たこともない看板も出ています。テーマカラーも微妙に違います

サードウェーブの新業態「デジタルドック powered by Dospara」はドスパラ店舗運営を行っている部署とは別のDLS統括本部が行う新業態で、ユニフォームも違います

以前からパソコン修理は扱っていましたが、出張設定や使い方相談というのは初耳。去年の8月に中野サンモールに店舗を出していましたが、ニーズ探しも兼ねていたようです

特に宣伝していなかったと思いますが、午前中の取材時間中、相談者が途切れなかった印象があります

オマケ。福井といえば恐竜(日本の8割の恐竜が福井で発見されているほか、「フクイ〇〇」の名がつく新種もあります)。北陸新幹線開業を記念して2015年に西口に恐竜広場がオープンしています