この記事をまとめると

■ジャパンモビリティショーでのダイハツブースで「ビジョン・コペン」を展示

■エンジンは1.3リッターでカーボンニュートラル燃料を使用できる想定となっている

■軽自動車枠を飛び出し、初代ユーノス・ロードスターに近いボリュームとなっている

ダイハツブースのとあるクルマが大盛り上がり!

 2023年10月25日、東京ビッグサイトにて開催された「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」のプレスデーにおいて、ダイハツ工業は5台のコンセプトカーを発表した。なかでも注目を集めたのが、メインステージに飾られた「ビジョン・コペン(VISION COPEN)」である。

 コペンは2002年に初代モデルが発売された軽オープン2シーターで、FFシャシーに660ccの直列4気筒ターボを搭載したスポーツモデル。電動開閉式ハードトップ「アクティブトップ」を備えるモデルも設定されるなど、手軽にオープンエアで楽しめることで人気となった。

 初代コペンは2002年から2012年まで販売されるロングセラーモデルとなり、2014年には2世代目モデルが登場。軽FFオープン2シーターというコンセプトは変わらないが、高剛性を誇る新型骨格構造「D-Frame」により走行性能の向上が図られたほか、内外装を着脱可能として着せ替えのように愛車のモディファイを可能とする「DRESS-FORMATION」が採用された。

今度のコペンは普通車での展開を予告!?

 そして初代モデルと同様に、2代目コペンの販売期間が10年を迎える直前に発表されたのが「ビジョン・コペン」だ。その特徴は、なんといっても大きく張り出した前後のオーバーフェンダーにある。

 初代コペンを思わせる丸形ヘッドライトや、逆台形型のロアグリルを備えるビジョン・コペンのボディサイズは、全長3835×全幅1695×全高1265mm。ホイールベースは2415mmで、現行の2代目コペンと比べると440mm長く、220mm幅広く、15mm低くなっている。当然ながら軽自動車の枠を大幅に超え、5ナンバー枠いっぱいの大きさだ。むしろ初代ユーノス・ロードスターに近いボリュームといえば伝わりやすいか。

 パワートレインは1.3リッターの直列4気筒で、カーボンニュートラル燃料を使用可能。このエンジンは縦置きに搭載され、後輪を駆動するFRレイアウトを採用している。インテリアはモノトーンでシンプルに構成され、大型のモニターに表示されるナビ画面や空調などの操作系がタッチ式となるなど、高い先進性も感じさせる。

 電動化が叫ばれる近年にあって、カーボンニュートラル燃料を使用するとはいえ内燃機関のみを動力とするビジョン コペンは、今回の「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」のなかでも注目車種のひとつ。プレスデーでありながら(だからこそ!?)、終日多くのメディアが周囲を取り囲んでいた。

 2代目コペンのモデルライフも周辺に近づいていることから、「ビジョン・コペンの市販モデルがいつごろに登場?」と期待は膨らむが、関係者によると実際にはなにも決まっていないとのこと。とはいえビジョン コペンを出展した目的は「これからもコペンを続けていくという意思表示」だそうだから、後継モデルが存在することはほぼ確定といっていいだろう。

 もちろん、市販モデルではFF軽自動車という従来のパッケージが継続されるかもしれないが、願わくば小排気量FRオープンスポーツの登場に期待したい。かつて運転の楽しい小排気量FRスポーツとして人気を博したクルマといえば、KP61スターレットを思い浮かべる人も多いことだろう。そのKP61スターレットに電動開閉式トップを組み合わせたクルマ……なんて、想像しただけでも楽しさ以外感じられないからだ。