車内に「ペットボトル放置」は危険! 開封&未開封のどちらもNG? ダメな理由とは
口をつけたペットボトル飲料を車内に置くべからず。未開封でも危ない。
ドライブのためにペットボトル飲料を用意。しかし、一口かふた口飲んだだけでそのまま車内に置いてしまい、後から気づくということがあります。
また、予備として車内に飲料を保存する人もいますが、飲料の衛生や安全上問題はないのでしょうか。
まず、ペットボトル飲料を開封した場合、ペットボトルに記載のある消費期限が変わります。
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飲料の消費期限について、全国清涼飲料連合会の担当者は次のように話します。
「開栓することで菌が侵入する可能性があり、その結果、菌が繁殖し、消費期限(賞味期限)が短くなる可能性があります。
口を付けて飲むことで口内の菌が侵入するため、早めに飲み切ることが推奨されます。
さらに、飲料の栄養状況やpHによっても菌の繁殖は変化すると言われています」
飲みかけのペットボトル飲料は、食中毒などリスクがあります。また、開封することで空気中の細菌が飲料に入り込み、菌は繁殖します。
そのため、ペットボトルに直接口をつけていても、飲料をコップに移して飲んだとしてもリスクがあることには変わりません。
そのため、1度キャップを開けたら、冬場なら1日以内を目安にして飲み切らなくてはならない言われ、細菌が繁殖しやすい夏の時期は、4時間以内と短くなります。
中でも気をつけたいのは細菌のエサが含まれている飲料で、糖分の多い甘いジュースやミルクコーヒー、麦茶も麦に含まれる炭水化物がエサになります。
さらに、保存料不使用の飲料も細菌が繁殖しやすいので注意が必要です。
とはいえ、どの飲料にしても、品質が変わっていれば濁ったり匂いがしたりとわかる場合も多くあり、少しでも異常を感じたなら残った飲料は飲まないでおくにこしたことはありません。
それでは、例えばお気に入りの飲料を常備するといったように、未開封のペットボトルを車内に長く置いておいたとしたらどうでしょうか。前出の担当者は次のように話します。
「車内は高温下になりやすいため、車内で飲料を保存することは推奨いたしません。
各飲料の保存方法をお読みいただき、高温多湿や直射日光を避けて保存してください。
また、高温下では清涼飲料水の品質が低下する恐れがあります。また炭酸飲料はガスを含んでいるため、高温下ではガスが容器内で充満し、容器の膨張・破裂の危険性もあります。
ペットボトルや缶などの容器によって耐圧性の違いはありますが、菌の繁殖や炭酸飲料のガス放出等によって容器が膨張・破裂する危険性はどの容器においても起こり得えます」
※ ※ ※
ペットボトル飲料は常温であれば長期保存できますが、猛暑時に車内に置いたとすると保存できません。
気温が30度に近づくと、車内の温度は50度ほどに上がります。ダッシュボードなどは90度に達することもあります。
こうした環境では、ボトル容器が変形する可能性がでてきます。直射日光に弱い性質なので劣化してしまうのです。そうなると、中の飲料にも影響がないとは言い切れません。
そのため、夏に車内に置いたペットボトル飲料は、飲む前に異常がないか確認することが大切です。冬でも直射日光があたる場所は避けて置いたほうがよいでしょう。
容器が変形するという点では、特に炭酸飲料には注意が必要です。高温によってボトルの内圧が高まり、耐えきれなくなった容器が破裂したり、開封時にキャップが飛んだりすることがあります。そのせいで指を切るといった事故も報告されています。
ほかにも、開封済みのペットボトルでも細菌の繁殖によってボトル内圧が高くなり、同じ現象が起こり得ます。
ペットボトル飲料がクルマを燃やすことも
ペットボトル飲料を飲む飲まないにかかわらず、それを炎天下の車内に置くだけで、クルマの火災につながる可能性があることがあるようです。
実際に、車両火災の大きな原因は、放置したペットボトル飲料や補助バッテリーです。
では、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。
それは、液体の入ったペットボトルが、太陽光を集めるレンズの役割を果たすからです。
光がレンズの屈折によって一点に集まり、そこに燃えやすい物があると火災になるのです。虫眼鏡を使って紙を燃やすようにイメージするとわかりやすいかもしれません。
特に、キャップを閉めたペットボトル飲料は、レンズ効果が大きくなります。ミネラルウォーターのペットボトルであれば、太陽光に当たって1分もたつと発火するようです。
また、容器のかたちによっても危険性が高まります。四角柱タイプより円筒型のほうが発火しやすくなります。
さらに、ロケットのように容器の底に球型の足をつけたタイプは最も危険といえます。中の飲料が少し残っていただけで、レンズを作ってしまうからです。
思わぬ火災を防ぐためにも、ペットボトル飲料を置く際は、直射日光の当たらない場所を選ぶことが大切です。ペットボトルホルダーなどに差し込んだまま放置するのは避けたほうが賢明です。
後で捨てるからいいやと、飲み残しの入ったペットボトルをボトルホルダーに差し込みっぱなしにすることもあります。そうした場合でも、早めに中身を捨てることをおすすめします。
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ドライブに飲料は欠かせません。だからこそ、ペットボトル飲料を置いてクルマを離れる時は、直射日光に触れさせないといった注意が必要です。
また、事故を未然に防ぐために、クーラーボックスを用意することを検討してもいいでしょう。