Netflix シリーズ「ONE PIECE」 8 月 31 日(木)世界独占配信

写真拡大

尾田栄一郎による大人気コミック「ONE PIECE」において、「死」は慎重に扱われるテーマだ。ルフィら麦わらの一味に対峙するヴィランたちでさえ、戦いで死ぬことは滅多にない。

実写版「ONE PIECE」で脚本・共同ショーランナーを務めたマット・オーウェンズは、「ドラマの中で、なぜヴィランは死なないのでしょうか?」という米Deadlineからの質問に対し、尾田から受け取ったという言葉を紹介している。ここからは、数々の感動的なエピソードを生み出してきた尾田のクリエイター精神がうかがえる。

「『ONE PIECE』の世界で、“夢”はとても重要です。尾田先生は前に、“死より最悪なのは夢を奪われることだ”とおっしゃっていました。たくさんのヴィランが立ちはだかりますが、彼らにも策略や望みがあるんです。それは時として非道なものですが。麦わらの一味が彼らの夢を奪いとっていくんです。」

オーウェンズが語ったように、「ONE PIECE」では“命”の奪い合いではなく“夢”の奪い合いが描かれてきた。その意味ではルフィも敵も同じ方向を向いており、“昨日の敵は今日の友”という展開は何度も登場する。夢を象徴するセリフとして、ルフィの「海賊王に俺はなる!」はあまりにも有名だが、ヴィランである黒ひげの「人の夢は、終わらねえ!」というセリフもファンの間では名言として知られている。尾田は、味方にも敵にも分け隔てなく“夢”を語る権利を与えてきたのだ。

尾田の価値観を代弁したオーウェンズは「『ONE PIECE』で死が描かれるときは、一つひとつのストーリーで死に向きあってこなかった分、衝撃が大きい」とも語っている。例えばマリンフォード頂上戦争編で描かれた2つの死は、ルフィ個人、そして多くの海賊が抱いてきた“夢”を容易に打ち砕く遥かに重いものだった。

「ONE PIECE」の主題を今一度思い出させる尾田の言葉を紹介したオーウェンズ。「私たちも同じように引き継いでいます」とも述べ、実写版でも夢と死の扱い方を踏襲していくことを明言した。

Source: Deadline