Appleから2023年9月に発売されたiPhone 15 Pro/Pro Maxでは、充電中や長時間使用時に端末が異様に発熱するという問題が報告されていました。この熱問題を解決するiOSアップデート「iOS 17.0.3」を、Appleが現地時間の10月4日にリリースしました。

iOS 17 のアップデートについて - Apple サポート (日本)

https://support.apple.com/ja-jp/HT213781#1703

About the security content of iOS 17.0.3 and iPadOS 17.0.3 - Apple Support

https://support.apple.com/en-us/HT213961

iOS 17.0.3 drops with a fix for the iPhone 15 Pro overheating issue

https://www.idownloadblog.com/2023/10/04/ios-17-0-3-iphone-15-pro-overheating-fix/

Apple fixes overheating problems and 0-day security flaw with iOS 17.0.3 update | Ars Technica

https://arstechnica.com/gadgets/2023/10/apple-releases-ios-17-0-3-update-to-help-fix-iphone-15-pro-overheating/

iPhone 15 Proシリーズで報告されていた熱問題は、急速充電器で充電したりカメラや特定のアプリを長時間使用したりすると、本体を素手で持つのが難しいほど熱くなるというものです。この現象の理由についてAppleに詳しいアナリストのミンチー・クオ氏は、「チタニウムフレームの採用による軽量化を達成するために、熱設計に妥協が加えられ、放熱面積が減少し熱効率が悪化したため」と主張していました。

AppleはSNSで熱問題が取り沙汰されてもしばらく反応しませんでしたが、9月30日の声明でついにiPhone 15 Proシリーズで熱問題が発生していることを認めました。その上で、「過熱の原因はハードウェアではなくソフトウェアによるものであり、iOS 17のソフトウェアアップデートによりすぐに解決されることになる」と説明しました。

AppleがiPhone 15 Proの異常発熱問題はハードウェアではなくソフトウェアが原因と説明、改善のためのソフトウェアアップデートの配信も約束 - GIGAZINE



Appleによると、熱問題が発生する原因のひとつは「デバイスのセットアップまたは復元後の数日間はバックグラウンド処理が増加し、デバイスが熱くなるケースがある」というもの。また、Instagram、Uber、レーシングゲームアプリの「アスファルト9:Legends」など、一部のサードパーティー製アプリも発熱の原因になっているとのこと。

そして10月4日、ついにAppleはiPhone 15 Proシリーズの熱問題を解消するiOSアップデート「iOS 17.0.3」をリリースしました。Appleのリリースノートを確認すると、「このアップデートには重要なバグ修正とセキュリティアップデートが含まれ、iPhoneが動作中に予想よりも熱くなることがある問題に対応しています。」と記されていました。



iOS 17.0.3およびiPadOS 17.0.3には、iPhoneの熱問題解消の他に重要なセキュリティアップデートも含まれています。セキュリティコンテンツのページを見ると、ローカルアクセスにより権限昇格が可能なカーネルの脆弱(ぜいじゃく)性である「CVE-2023-42824」や、バッファオーバーフローにより任意のコード実行が可能なWebRTCの脆弱性「CVE-2023-5217」などのセキュリティパッチも含まれていると説明されています。なお、AppleによるとCVE-2023-42824は、すでにiOS16.6より前のバージョンのiOSに対して悪用された可能性があるそうです。