日本では5組に1組が不妊に悩み、50万人近くが不妊治療を受けていると言われています。 イラストレーターのオヨネさんもかつて、その1人でした。 今回は、不妊治療の痛みと「会社を休むこと」についてのお話です。

痛みを伴う不妊治療がスタート。休みがちなオヨネさんに上司が言ったのは…<オヨネの妊活いばら道31>

セックスレスや多嚢胞性卵巣症候群などの困難を経て2人目妊娠を目指すも、人工授精では難しかった私たち夫婦。ついに不妊外来に通い始めることになりました。

●半休を取りまくるオヨネさんに上司が言った言葉は…

同意書にサインしたあとは、早速様々な検査を行いました。
検査は盛りだくさんで、さらに女性側は月経周期のタイミングで予約を入れないといけない検査がほとんど。

会社に行く前に半休を取って通院するも、「明日の朝もう一度来てください」「明後日もう一度来てください」と急に次回の診察が決まりることも多く、さらに半休を取ったり、頻繁に休まないといけない状態でした。

上司には毎回「半休理由:通院」と書いた紙にハンコを押してもらっていたので、なんだかすごい病気と思われて「大丈夫なのか?」と心配されていました。

●不妊治療はお金がかかる!

検査には性病や持病の検査、卵巣の大体の年齢や卵子の残りの数が分かる検査、精液の検査、卵子がちゃんと卵管を通れるのか、子宮や卵巣に異常はないかを調べる検査など、妊娠できないのはなにが原因かということを詳しく調べてくれました。

中には保険がきかず毎回数千円〜数万円支払う月も。自分の検査のお金は全部自分で出していたので、検査数の少ないメガネ(夫)と比べて莫大な費用を貯金から出していました。
当時は体外受精は保険適用外でしたので、あとで国から数十万の助成金が返ってきたものの全然たりなかったです。
それでも二人目が欲しいという気持ちがとても強かったので、がんばってお金をやりくりしていました。

●名状しがたい痛みに襲われた検査

検査は大なり小なり痛みを伴う検査が多かったです。なかでも覚えているのは「卵管造影検査」。精子と卵子が出合う「卵管」に異常がないか、造影剤を流し込んで検査するもの。
不妊治療の先輩たちが残してくれた記事やブログを読み漁るとすごく痛いらしいということがわかり、当日まで必要以上に怯えていたのを覚えています。

その日はいつもの検査室とは違い、手術室のようなところで検査用の服に着替えて挑みました。

おまたから管を入れ、そこまではいつもの検査で慣れっこだったのでどうってことはなかったですが、そこから「造影剤入れますね〜」と言われ「ついにくるのか…いけるか? いけるのか?」と緊張。

処方されていた痛み止めを前もって飲んで挑んだものの、麻酔もなく、息をゆっくり吐いてくださいね〜の言葉を信じてがんばって吐いていましたが、い、痛い…めちゃくちゃ痛い! 腰回りやら下腹やらなにやらが表現し難い痛みに襲われました。

私はとても痛い事があるとなぜか半笑いになる癖があり(さすがに出産のときは痛すぎて笑えませんでしたが)、あ、あは、いた…痛い…と涙を流したいような気持ちで痛みを堪えました。
アハアハ言っている私、お医者さんには気持ち悪く見えたかもしれません。

検査自体は異常はなくひと安心しました。
「この検査のあとは卵管が広がっているから人工授精もしておきましょう」とタイミングをみて処置してもらいましたが、残念ながらなんの変化も見られませんでした。残念。