9月7日に、ジャニーズ事務所が過去の性加害問題についての会見を開いたことをうけ、各所に波紋が広がり続けている。

 会見では、新社長となった東山紀之が、創業者・ジャニー喜多川氏の性加害を認め、謝罪。「噂としてはもちろん聞いていました。あくまでも噂だと信じていた」などと発言。被害者への補償を進めていくとして、「人生をもって、命をかけてこの問題に取り組んでいく」と語っている。

 だが、世間の反応は厳しかった。会見後には、嵐・相葉雅紀を起用していた「東京海上日動火災保険」が広告契約を更新しないことが報じられた。本誌が、ジャニーズ事務所の所属タレントを大々的に起用する企業10社に今後の方針を聞いたところ、岡田准一や二宮和也らを起用する「アサヒビール」は、「今後、ジャニーズ事務所のタレントを起用した広告や新たな販促は展開せず、現行の契約はそれらの満了をもって解除します」と回答している。

 嵐・櫻井翔を起用する「アフラック生命保険」、木村拓哉や井ノ原快彦などを起用する「マクドナルド」は、今後の状況を注視していくとの回答にとどめた。今後も、CM打ち切りに舵を切る企業は増えていきそうだ。

 そんななか、そんな企業の動きに異を唱えたのが、歌手のGACKTだ。9日にX(旧Twitter)を更新したGACKTは、こう語っている。

《いやいや、ちょっと待て 各大手企業がこぞってジャニーズ事務所とのCMを打ち切るとか、検討するとかやってるが、そんな問題や噂は昔からどこの企業もスポンサーも広告代理店も耳にしていたはず、むしろ知ってたはず。》

《今回それぞれのアーティストは関係ない、 というよりむしろ被害者。 その彼らとのCM を打ち切るのは そもそもおかしいし不気味でしかない。 》

《【ファン】の愛情を軽視しすぎ そんな企業はあとで必ず大きくそのツケが回ってくる 今回の対応は気持ち悪いの一言に尽きる この日本の乗っかり風潮がマジで不気味すぎる、まったく。》

 投稿は多くの注目を集め、9月10日15時時点で23万以上の「いいね」が押されている。GACKTの意見に対し、SNSでは打ち切り賛成派と反対派で議論が勃発。

 打ち切り賛成派からは、こんな意見が続出した。

《タレントに重点を置いた観点ですと、仰ることは最もです。ただ、企業側の観点で言うと契約はタレントさんご本人ではなく会社や事務所と行っています。人とモノを一緒にする例が適切かわかりませんが、最高の原材料が見つかったとしても、それを作る会社に問題があれば企業倫理の観点から取引をしないことは多々あります。》

《影響力のあるタレントがこの認識とは残念です 史上類をみない性犯罪を隠蔽し、自社の独裁体制を構築したジャニーズ事務所です 所属タレントを起用することは事務所へ利益をもたらすことになります》

《企業の対応を「乗っかりコンプライアンス」とか言ってるけど、流石に児童への性虐待を甘く見すぎ。しかも「そんな企業はあとで必ず大きくそのツケが回ってくる」って、何十年も見て見ぬふりしてきたジャニーズ事務所に、今大きなツケが回ってきてんだよ。》

 一方、打ち切り反対派はこう主張する。

GACKTさんの仰る通りで、噂だけではなく、ある程度の事実関係は知ってた筈で、少なくともBBCの報道が出た時に対応すべきだったと思います。所属タレントさんにとっては、二次被害になってしまうのが残念です。》

《本当にこんな凄い手のひら返し見たことないですね。所属しているタレントさん達はこれで又傷が深くなるしファンの気持ちは…》

《これはGACKTの言う通りだと思うな やっぱり屋号は変えた方がイイとは思うけど……》

 CMだけでなく、櫻井翔のラグビー日本代表アンバサダー起用が海外から批判を浴びるなど、各所に影響が広がっている。事務所だけでなく、所属タレントも、立場を明確に示す必要に迫られているようだ。