エンゼルスの大谷翔平【写真:ロイター】

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MLBネットワークの番組司会者ブライアン・ケニー氏が言及

 米大リーグで右肘靭帯損傷と診断されたエンゼルス大谷翔平投手について、球団の管理体制も一部で批判の的になっている。MLB専門局「MLBネットワーク」の番組では、司会者が「負傷の兆候はあった」とし、7月27日のタイガースとのダブルヘッダーでの起用を問題視した。

 MLBネットワークの番組「MLBナウ」は今回の大谷の悲報を紹介。司会を務めるブライアン・ケニー氏は「ベーブ・ルースでもできなかったことをショウヘイ・オオタニはやってのけた。しかし(負傷の)兆候はあった」と切り出した。

「彼は(投打どちらか)選択しなければいけないかもしれない。彼が偉大な選手であることは分かっている。歴史的なことをやっていることも理解している。しかし彼は一度壊れてトミー・ジョン手術を受け1年半投球から離れている。この調子で使い続けると壊れてしまうと私は言い続けてきた」

 これまでも休みなく出場を続けることを懸念していたというケニー氏。今季についても「3月にはWBCで全力を出した。4月には雨の中の10度のボストンで2回31球を投げた。エンゼルスはその後、中3日で先発登板させたのだ。102球で11奪三振だった。ここでも彼は負傷しなかった」と言及した。

「しかし、黄金のガチョウを働かせすぎることは避けなければいけない。オオタニは鉄人だが、壊れることもある。彼が健康を維持できるように最善を尽くさなければいけない。近代のロードマネージメントは、まさにそれが理由だ」と暗にエンゼルスの管理体制を批判した。

「彼を中5、6日で登板させ続けた。日本でもそうだったから良い起用法だ」としながら、問題視したのは7月27日のタイガースとのダブルヘッダーの起用。第1戦で投手として完封、第2戦で本塁打2本を放ちながら、左脇腹の痙攣で交代した試合だ。

タイガースとのWヘッダー第2試合に「出てきたときは信じられなかった」

「第1戦で111球1安打の完封勝利。シーズン最多に並ぶ球数だったから、第2戦に出てきたときは信じられなかった。1安打完封は1日分の働きだ。黄金のガチョウを調理してはならないのだ。第2戦では2本塁打を放った。『何が問題なんだ?』と言うかもしれないが、彼は左側腹部の痙攣で交代したのだ」

 こう訴えたケニー氏は「もしかしたら問題はメジャーで投球するだけでも負傷を招くということかもしれない。もしくは投打両方を続けることにあるのかもしれない。我々にはわからない。しかし、我々に分かっているのは金を稼ぐ競走馬の扱いには気を付けなければいけないということだ」と最大限の配慮が必要と主張した。

 今季は指のマメや腹部の痙攣があったことも指摘。「腕の疲労で13日間登板を休んだ。それでも疲労は積み重なっていたのだ」と言い、「試合の間に診断結果を受けていたのに第2戦にもDHで出場したんだ! 考えてみてくれ! 彼自身から彼を守らなければいけない」と大谷自身にも要求していた。

(THE ANSWER編集部)