AppleのiPhoneは設定アプリからバッテリーの最大容量が新品時と比べてどの程度低下しているかを確認することができます。このバッテリー最大容量が、iPhone 14ではこれまでよりも急速に減少しており、購入から1年未満で90%以下まで低下しているという報告が複数上がっています。

iPhone 14, 14 Pro owners report battery health drops of 10 percent in less than a year - The Verge

https://www.theverge.com/2023/8/12/23829897/apple-iphone-14-pro-battery-health-capacity



iPhoneのバッテリー最大容量が表示されるようになったのは、2018年3月末に配信開始となったiOS 11.3から。2017年末に問題になった「Appleがバッテリーが劣化したiPhoneの性能を意図的に落としていた問題」への対処の一環として追加された機能です。

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iPhone 14/14 Plus/14 Pro/14 Pro Maxの所有者から、購入してから1年が経過していないにもかからわず、すでにバッテリーの最大容量が新品時の90%以下まで劣化していることが報告されています。

iPhone 14シリーズのバッテリー最大容量が予想以上に減少していることは、2023年7月時点でApple関連ニュース・AppleTrackのSam Kohl氏が指摘していました。同氏はX上で「iPhone 14 Proを使ってまだ1年も経っていません……これは受け入れられません」というテキストと共に、バッテリー最大容量が90%まで低下してしまっているスクリーンショットを投稿していました。Kohl氏はこれまでに使用してきたiPhoneよりもはるかにバッテリー最大容量の低下が早いと指摘しています。





同氏のポストに対しては、「(iPhone 14シリーズよりも1年先に発売された)iPhone 13 Proを毎日MagSafe充電器を使ってワイヤレス充電しながら使用していますが、バッテリー最大容量はあなたのiPhone 14 Proと同じ90%です」と、約2年使用したiPhone 13 Proが同じ「バッテリー最大容量90%」になっているという投稿。





他にも、約3年使用したiPhone 12 Proのバッテリー最大容量が「84%」になっているという投稿も寄せられています。





他にも2年間利用したiPhone 8 Plusのバッテリー最大容量が100%のままであると投稿する人もいました。





「iOS 17のベータ版がリリースされるまではバッテリー最大容量が100%だった」と主張するAnarkiiさんのiPhoneのバッテリー最大容量は94%まで低下しています。なお、iOS 17のパブリックベータ版がリリースされたのは2023年7月末です。





Appleは公式サイト上でiPhoneのバッテリーについて、「iPhoneのバッテリーは、フル充電サイクルを500回繰り返した時に、本来の容量の最大80%を維持できるように設計されています。1年間の製品保証にはバッテリーに不具合があった場合のサービスが含まれています。保証期間を過ぎている場合はAppleのバッテリーサービスを利用できます。価格と規約は変更される場合があります。」と記しています。そのため、1年間の製品保証期間内にバッテリー最大容量が80%を切れることはなさそうです。

iPhone 14シリーズのバッテリー最大容量の低下速度が早いと指摘しているのはKohl氏だけではありません。ウォール・ストリート・ジャーナルの技術コラムニストであるジョアンナ・スターン氏は、自身のiPhone 14 Proが購入から1年未満でバッテリー最大容量が「88%」まで減少したと報告しています。





海外メディアのThe Vergeで利用しているiPhone 14 Proは、1台が「93%」、もう1台が「91%」とかなり数値が減少しているものの、もう1台は「97%」とかなり高い数値を維持したままだったそうです。また、The Vergeは「これまでのiPhoneでは、少なくとも丸2年間使用するまではバッテリー容量がこれほど低下することは報告されませんでした」とも報じています。

なお、Appleは2023年3月にiPhoneのバッテリー交換費用を値上げしたばかりです。

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