エンゼルスの大谷翔平【写真:ロイター】

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レッズやナショナルズでGMを歴任したジム・ボウデン氏が持論を展開

 今季終了後にフリーエージェント(FA)となる米大リーグ・エンゼルス大谷翔平投手は、その去就が連日米国で話題になっている。エンゼルスは対価を獲得するために大谷をトレードするべきか。レッズやナショナルズでGMを務めた米識者は「トレードしないことはビジネスの観点からも、野球編成の観点からも意味をなさない」と主張。放出して対価を獲得したほうが、大谷とFAで再契約できる可能性も高まるとの見方を示している。

 8月1日(日本時間2日)のトレード期限まで約半月。エンゼルスは前半戦が終わった時点で45勝46敗、首位まで7ゲーム差の地区4位、プレーオフ圏内までは5ゲーム差で折り返した。プレーオフ出場を目指してトレード市場の「買い手」に回るか、今季は諦め、来季以降の再建に向けて「売り手」に回るか。難しい判断が迫られる。

 米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は「MLB全30球団のトレード期限の展望」と題する記事を掲載。レッズやナショナルズでGMを歴任した著者のジム・ボウデン氏は、エンゼルスを「買い手」でも「売り手」でもなく「中間」に位置付けた。そして、その理由を「彼らはショウヘイ・オオタニをトレードする必要があるからだ」とした。

「はっきりさせよう。このチームはプレーオフには出場しないし、オオタニとも再契約しない」と断言したボウデン氏。「この2つのことから、エンゼルスは彼をトレードして、今できる限り多くの対価を獲得するべきだ」と持論を展開した。オフにはFAとなるため、獲得した球団は数か月しか大谷を支配下に置けないが、「それでも対価はかなりのものになる」と同氏は語る。

「彼をトレードすれば、エンゼルスは来年以降より良いチームになるだろう。それにより、放出する前よりもかなり良いチームになったと主張することができるため、彼と(FAで)再契約するにあたっても、より良い位置につけるかもしれない」。対価で若手有望株を獲得できてチーム強化につながるため、オフにFAで獲得に乗り出す場合“副作用”も期待できるとした。

「トレードしないことはビジネスの観点からも、2024年以降の野球(編成)の観点からも意味をなさない」と強調した同氏は、「エンゼルスは目を覚まし、できるだけ早くオオタニをトレード市場に出すべきだ」とまとめた。

(THE ANSWER編集部)