ひっくり返されてもゴール前を守る、身体を張るということも声掛けができていたし、(監督の山口)智さんも『自分たちの良さを出して戦えば大丈夫だ』と言い続けてくれた。今日はそれを信じて戦えました」

 選手同士のコミュニケーションについて山田は「ここ数試合もできていなかったわけではない」とも語ったが、最下位に沈むなかでメンタル的に難しいなか、互いに発破を掛け合う重要性は高まっていると言えるだろう。

 システム変更によって偶発的にも話し合わなければいけない状況になったことで、背番号10もその必要性を改めて実感したという。

「今日、選手同士で話し合いながら戦って、最後に引き分けられたことで、チームに『やればできる』という自信が芽生えたと思います。今までの試合後のロッカーの雰囲気と違い、みんなから『次は勝てるぞ』という声が出ていたので、僕自身も次の試合がすごく楽しみです」

 柏戦は、残留争いの状況を考えれば、勝たなければいけないゲームだったかもしれない。それでも粘り強く掴んだ勝点1は、チームにとって数字以上の価値があったはずだ。

 湘南は、収穫を得た柏戦を上昇へのきっかけにできるか。7月16日に行なわれる次節のアビスパ福岡戦が、チームの今後を占う重要な一戦になりそうだ。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

【PHOTO】湘南の出場16選手&監督の採点・寸評。大野は終盤のパワープレーで殊勲の同点弾。高い技術を随所に発揮した茨田