「中野サンプラザ」の跡地では、新たなシンボル拠点の整備が予定されています。今後の中野駅周辺はどう変わるのでしょうか。

「サンプラザ」に代わる新たなシンボル拠点とは

 2023年7月2日に惜しまれながら閉館した中野区の文化複合施設「中野サンプラザ」は今後解体され、新たなシンボル拠点に生まれ変わる予定です。駅周辺ではこれ以外にも、複数の再開発事業や駅改良が行われており、「100年に1度」ともいわれる街の大改造が進んでいます。今後の中野駅周辺はどうなるのでしょうか。


中央線(画像:写真AC)。

 現在、サンプラザと区役所がある地区は、「中野駅新北口駅前エリア」として再整備される予定です。これらの施設は竣工から約50年が経過し、老朽化が進んだため、区役所に関しては北側にある「中野四季の都市(まち)」エリアへ移転する形で建て替えとなります。
 
 新北口駅前エリアの再開発ビルの整備事業者は、野村不動産・東急不動産・住友商事・ヒューリック・JR東日本で構成する企業グループで、2021年5月に中野区と基本協定を締結しています。施設の規模は、高さ約250m、延床面積約29万8000平方メートルを想定。駅側に展望施設やオフィス、住宅、商業施設などが入る高層棟、その北側にホテルやホールなどが入る低層棟が配置されます。
 
 施設の整備方針には「ステージと観客席が近いサンプラザホールのDNAの継承」が盛り込まれており、ホールは約7000人を収容でき、観客が臨場感を得られるような施設となる見込みです。今後は、2024年度から既存施設の解体工事に着手し、2028年度の竣工を予定しています。この再開発事業と連動して、土地区画整理事業が一体的に進められているほか、新北口駅前広場も整備されます。

 駅に関しては、南北通路や橋上駅舎、駅ビルを一体的に整備する工事が進んでおり、2026年の完成を目指しています。これにより、中野通りの西側へ新たに西口改札が設けられます。駅舎は白を基調とした外観となり、壁面や屋上は緑化される予定です。
 
 駅周辺ではこのほか、「中野二丁目地区」や「囲町東地区」で再開発が進むほか、「中野四丁目西地区」と「囲町西地区」でも開発計画があります。今後も工事がひっきりなしに工事が続きそうです。