ラグビーとアメフトの違いを分かりやすく解説!共通点と相違点を見てみよう

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ラグビーとアメフトは、どちらも楕円形のボールを使うスポーツです。よく似ているため混同されやすく、2つの違いが分からないという人もいるのではないでしょうか。

この記事では、ラグビーとアメフトの違いについて、それぞれの起源や歴史も踏まえて分かりやすく解説します。

ラグビーとアメフトの違い【起源・歴史編】

ラグビーとアメフトは共通点が多いスポーツです。その理由は、もともと同じスポーツから派生したからだと言われています。

まずは、ラグビーとアメフトの起源や歴史について見ていきましょう。

起源

ラグビーは、1823年にイギリスでラグビー校という学校の生徒だったエリス少年が、フットボールの試合中にボールを持って走ったのが起源だと言われています。

一方、アメフトの起源はアメリカです。

1869年にプリンストン大学とラトガーズ大学が初めてサッカーのルールに近い形式のフットボールの試合を行い、のちにサッカーやラグビーとは異なるルールが作られていったことでアメフトが誕生したとされています。

歴史

初めてラグビーのルールが制定されたのは1845年で、正式な競技団体「ラグビーフットボールユニオン(RFU)」が設立されたのは1871年です。

アメフトでは、ラグビーよりも後の1876年に初めてルールが起草されました。

「アメリカンフットボールの父」として知られるウォルター・キャンプが、フットボールと深く関わりを持つようになったのもこの頃で、以降、ルール改正を繰り返しながら初期のアメフトが作られていきました。

ラグビーとアメフトの違い【基本ルール編】

共通点が多いラグビーとアメフトですが、ルールには違いがいくつかあります。
続いては、ラグビーとアメフトの基本ルールの違いを解説します。

フィールド

ラグビーとアメフトでは、フィールドの広さやゴールポストの形に違いがあります。

■ラグビー

ラグビーのフィールドは、横幅が68~70m、縦が94~100mと規定されています。

また、ゴールポストは「H」型で、大きさは幅5.6m、高さ3.4m以上、クロスバー上端部まで3mです。
ラグビーでは、キックしたボールがゴールポストの間を通過するとゴールとなります。

■アメフト

アメフトのフィールドは、横幅が48.8m、縦が91.4mと規定されています。

ゴールポストは「Y」型、幅5.64m、高さ3.05mと、ラグビーとほとんど同じ大きさとなっています。
キックしたボールがゴールポストの間を通過するとゴールとなる点は、ラグビーと同じです。

ボール

ラグビーとアメフトのボールはどちらも楕円形でよく似ていますが、色とサイズが異なります。

■ラグビー

ラグビーで用いるボールの色は白色、素材は皮または合成皮革です。
重さは410~460gとなっています。

■アメフト

アメフトの場合、色は皮の自然な色(茶色)で、素材は本革と指定されています。
重さはラグビーに比べて少し軽く、397~425gです。

ユニフォーム・防具

ラグビーとアメフトの分かりやすい違いとしては、ユニフォームや防具の有無も挙げられます。

■ラグビー

ラグビーのユニフォームとして使用する基本アイテムは次の通りです。

ラガーシャツ ラガーパンツ ソックス スパイク

ほかにも高校生ラグビーでは「ヘッドキャップ」と呼ばれる頭や耳の保護用具、口の中を保護する「マウスガード(マウスピース)」の着用が義務となっています。

一方で、成人ラグビーでは防具の着用が義務付けられていないため、「声が聞こえにくい」などの理由からヘッドキャップを着用しなくなる選手もいるようです。

■アメフト

アメフトは、ラグビーに比べて危険な接触プレーが多いので、ユニフォーム以外にも防具の着用が義務付けられています。

アメフトに必要なアイテムは次の通りです。

ジャージ フットボールパンツ ソックス スパイク ヘルメット ショルダーパッド ニーパッド ヒップパッド サイガード マウスピース

アメフトでは全身をパッドで保護する必要があるため、ユニフォームのパンツは丈が長めのものが多いです。

また、義務ではないものの、以下の装具の着用が認められています。

タオル及びハンドウォーマー グローブ アイシールド アイシェイド

人数

ラグビーとアメフトでは、プレーする選手や交代可能な選手の人数も異なります。

■ラグビー

ラグビーのプレー人数は、1チームにつき15人です。
ポジションは「フォワード」と呼ばれる前側の8人と、「バックス」という後ろ側の7人に分かれます。

また、1試合あたりの交代可能人数は8人までなので、1チーム23人で構成されることになります。

■アメフト

アメフトのプレー人数は、1チームにつき11人です。

交代可能な人数に制限がなく攻守の切り替えがはっきりしているため、攻守が変わるタイミングでオフェンス専門の選手とディフェンス専門の選手がそれぞれ11人ずつ、一斉に交代することもあります。

ポジションは、攻撃の場合「オフェンスライン・ランニングバック・ワイドレシーバ」などに分けられ、守備の場合「ディフェンスライン・ラインバッカー・ディフェンスバッグ」などに分けられるのが一般的です。

試合時間

ラグビーとアメフトは、試合時間も異なります。

■ラグビー

ラグビーの試合時間は80分です。

前半40分・後半40分の2分割制で、ハーフタイムは試合主催者によって異なりますが、15分以内という決まりがあります。

■アメフト

アメフトの試合時間は60分で、第1クォーターから第4クォーターまでそれぞれ各15分、4分割制となっています。

第2クォーターと第3クォーターの間には12分のハーフタイムがあり、ここでチアリーディングなどのショーが行われることもあります。

得点方法

ラグビーとアメフトでは、得点方法にも違いがあります。

■ラグビー

ラグビーの得点方法は次の5種類です。

名称 条件 点数 トライ 相手チームのインゴールにボールを持ち込み、地面につける 5点 コンバージョン トライが成立した後に与えられるコンバージョンキックでゴールに成功する 2点 ドロップゴール プレー途中にボールをワンバウンドさせて蹴り、ゴールに成功する 3点 ペナルティトライ 相手の反則があった場合に与えられる認定トライでゴールに成功する 7点 ペナルティゴール 相手の反則があった場合に与えられるペナルティキックでゴールに成功する 3点 ■アメフト

アメフトの得点方法は次の5種類です。

名称 条件 点数 タッチダウン 相手チームのエンドゾーンにボールを持ち込む(地面につける必要はない) 6点 フィールドゴール プレー中、タッチダウンが狙えない状況で行うキックでゴールに成功する 3点 セイフティ
(相手に与える得点) オフェンスチームのボール保持者が自チームのエンドゾーン内でタックルされた場合、ディフェンスチームに得点が入る 2点 PAT(プレー) タッチダウン後のポイントアフタータッチダウンで、タッチダウンに成功する 2点 PAT(キック) タッチダウン後に与えられるポイントアフタータッチダウンキックで、ゴールに成功する 1点

ラグビーとアメフトの違い【基本プレー編】

ラグビーとアメフトの違いは、ルールだけでなく基本プレーにもあります。
ここでは、ラグビーとアメフトの基本プレーの違いを紹介します。

パス

パスにおけるルールの違いは以下の通りです。

■ラグビー

ラグビーは、ボールよりも前にいる選手にパスしてはいけません。

そのため、ボールを前に運ぶにはボールを持って走るか、ボールを蹴って自分で取る、またはキックしたプレイヤーより後ろにいる選手が取るプレーのみとなります。

投げ方は下投げが基本です。

■アメフト

アメフトでは、前へのパスが認められています。

しかし、オフェンス側とディフェンス側の間に引かれた架空の境界線であるスクリメージラインよりも後ろにいなければならないほか、前方へのパスは1プレーで一度のみとなります。

また、投げ方はラグビーとは異なり、野球のように上投げすることもあります。

ブロック

いわゆる「タックル」のことを表すブロックにおけるルールの違いは以下の通りです。

■ラグビー

ラグビーでは、ボールを持っている選手に対するブロックのみ認められています。
なお、肩より上へのブロックは禁止です。

■アメフト

アメフトの場合は、ボールを持っていない選手へのブロックや肩から上へのブロックも可能です。
ただし、ショルダーパッドやジャージの上部をつかんで引き離す行為は反則となります。

ラグビーとアメフトの違いを知ろう

ラグビーとアメフトの違いを表にまとめると、次のようになります。

ラグビー アメフト 発祥 イギリス アメリカ ゴールポストの形 H型 Y型 ボール 白色
重さ410~460g 皮の自然な色(茶色)
重さ397~425g 防具着用 任意 義務 競技人数 15人 11人 試合時間 80分 60分 得点方法 トライ5点
コンバージョンゴール2点
など5種類 タッチダウン6点
フィールドゴール3点
など5種類 プレー(パス) 前パス禁止
基本的に下投げ 前パスOK
上投げも可能 プレー(ブロック) ボールを持っている選手にのみタックル可能
ただし、肩から上は反則 すべての選手にタックル可能
ただし、ショルダーパッドやジャージの上部をつかんで引き離すのは反則

ラグビーとアメフトは、似ているようで異なる点が多い競技です。プレーする際はもちろん、観戦するときも共通点や違いを把握しておくことで、より深く楽しめるでしょう。

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