フィンランド北部、EU加盟国の中でも最北端に位置するヌオルガム村は、夏の間の70日以上、太陽が沈むことがない白夜の村としても知られています。この静かな場所で今、給油を巡る問題が話題となっています。

政府の定める新しい環境ガイドラインの影響?

 フィンランド北部、EU加盟国の中でも最北端に位置するヌオルガム村は、夏の間の70日以上、太陽が沈むことがない白夜の村として、欧州以外でも知られています。この静かなヌオルガムで、とある問題が2023年6月から話題になっています。


7月いっぱいで閉店のEU最北のガソリンスタンドであるサミモーター・オイ(画像:Bo-Göran Lillandt[CC BY-SA 3.0])。

 それは同地で唯一、そしてEU加盟国最北端のガソリンスタンドであるサミモーター・オイが2023年7月いっぱいで閉店してしまうということです。

 フィンランドメディアの報道によると、ヌオルガム周辺数km圏内にはほかにガソリンスタンドがなく、最寄りの場所を探すとなると、約30km離れた隣国ノルウェーのタナか、ヌオルガムの南西約40kmの位置にあるウツヨキのガソリンスタンドで給油する必要があるそうです。

 ヌオルガムのガソリンスタンドを運営しているのは、サミモーターという自動車修理会社だそうですが、今回の閉店理由に関しては、政府の定める新しい環境のガイドラインが原因だと話しているそうです。新しい基準に対応するため、検査用の井戸の設置やコンクリート床を新しくする設備投資に回す資金がないとのこと。日本でもガソリンスタンドは減っていますが、同様に設備投資をあきらめて閉店するケースは少なくありません。

 地元住民は燃料タンクを購入するなどして対応を考えているそうです。なお、EV用の給電スポットも同地にはあり、それは残るので、フィンランドとEUで最北のEV充電所としての地位は維持するようです。

 ちなみに、日本でも北海道の場合、数十キロ単位でガソリンスタンドがないケースがかなりあり、SNSをのぞくと、「『この先ガソリンスタンド当分ありません!』みたいに看板で警告してくれるガソスタがときどきあります」「北海道はこの先100Kmスタンド在りませんってのがザラ」と話すドライバーやライダーもいます。