ルーマニアMiG-21 最終飛行終え退役へ 今後はアメリカ製戦闘機に一本化
ヨーロッパの空からMiG-21が消えるのも目前に。
60年以上にわたって領空防衛に従事
ルーマニア国防省は2023年5月15日、空軍で60年以上にわたって運用してきたMiG-21戦闘機の最終飛行を実施したと発表しました。
最終飛行は、ルーマニア中西部にあるクンピア・トゥルジーの第71航空基地、東部にあるボルセアの第86航空基地、北東部にあるバカウの第95航空基地、この3か所で行われたといいます。
バカウの第95航空基地で最終飛行を行ったルーマニア空軍のMiG-21戦闘機(画像:ルーマニア国防省)。
ルーマニア空軍にMiG-21が初めて引き渡されたのは1962年2月13日で、最終的に同国には約400機が納入されているそう。その後、独自改良やイスラエル企業によるアップグレードなどを経て半世紀以上にわたって同国の防空を担ってきたものの、さすがに旧式化したため、2016年12月にルーマニア国防省は段階的な退役を決定。代替機としてポルトガルやノルウェーなどから中古のアメリカ製F-16「ファイティングファルコン」戦闘機を導入しています。
今後、同国が保有する戦闘機はF-16戦闘機に一本化されるとのことで、機数を補うために2023年中にノルウェーから追加の中古機体が引き渡される予定だとしています。
なお、ルーマニアからMiG-21が姿を消すことで、NATO(北大西洋条約機構)加盟国の中で同機を運用するのは、クロアチアのみになります。