「海外旅行、どうしてこんなに高くなった?〈後編〉」お金の教科書Vol.20 #リアルボイス

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毎日の暮らしや将来に必要なお金のこと、きちんと把握してますか? 「わからない」ゆえの不安は、知ることで解消できるはず! “お金初心者”3人と一緒に、お金の勉強を始めましょう。「お金の教科書」、今回のテーマは「海外旅行、どうしてこんなに高くなった?〈後編〉」です。

海外旅行、どうしてこんなに高くなった?〈後編〉

橋賀秀紀さん トラベルジャーナリスト。東京都出身の40代。コロナ前は、ほぼ月1回の頻度で海外に出かけ、渡航歴は200回を軽く超える。これまでに訪問した国は127か国。著書に『エアライン戦争』(宝島社)など。

貯蓄未知子(ちょちく・みちこ/34歳・会社員) 都内の賃貸で一人暮らし中。毎月の貯蓄は財形2万円+口座に残った分のみ。奨学金は完済。コロナ前は年に1回は海外旅行でリフレッシュするのを楽しみにしていたが…。

料金が高騰する中でも海外旅行を楽しむ方法。

未知子:橋賀さんは去年はタイ、スリランカ、インド、年末年始はマレーシアのペナン島。今年はまたインドに旅したとか。海外旅行が高いといわれているのに、どうやって? もしや富豪マイラー!?

橋賀:いえいえ(苦笑)。

未知子:今はマイルを使って行こうと思っても、燃油サーチャージが高すぎます!

橋賀:それはそうですよ。航空会社は実際に航空券を売る際は、サーチャージが高ければ航空券本体の価格を安くして調整します。でも特典航空券は元の価格がゼロですから、下げようがないんです。

未知子:確かに…。

橋賀:ただ、JALマイレージバンクならマレーシア航空やカタール航空、ANAマイレージクラブならシンガポール航空などで特典を利用すると、燃油サーチャージは取られないんです。だから、ご自身が持っているマイルの航空会社がどこと提携しているかはチェックしてみたらいい。

未知子:早速見てみます! ちなみにLCCで注目すべきエアラインはありますか?

橋賀:アメリカ圏に行くなら、JAL系のジップエア。ヨーロッパ圏ならシンガポール航空系のスクートがおすすめ。今年8月のベルリン往復チケットをスクートで買ったのですが、往復で約8万円でした。スクートのベルリンとアテネは、すごくお得感がありますね。

買い時を教えてくれる「Google フライト」。

未知子:ベルリンが往復8万円!?

橋賀:予約したのは去年ですが、これも前回お話しした「“行き先ありき”ではなく、その時期にお得な国に行く」作戦です。

未知子:その時期のベルリンが安いというのは、どう調べれば?

橋賀:僕が使っているのはGoogleの予約検索サービス「Google フライト」。航空券の検索、料金比較ができるシステムで、リアルタイムの料金状況を把握したり、設定した時期の相場が即座にわかるんです。

未知子:Googleにそんなサービスがあったとは。(触ってみて…)本当だ! わかりやすい!

橋賀:期間と行き先をいくつか選んで設定しておけば、今の金額よりも料金が下がったら通知してくれるプライスアラート機能もあって。ある程度、休暇の時期が決まっているなら、早めに設定しておくといいですよ。

未知子:会社員の私は、いつでも行けます! っていうわけではないので、それはありがたい。早速、今度の3連休を狙って設定してみます

「Google フライト」を使ってみよう!

PC、スマホ、どちらからも利用可能!Googleのサービス一覧から「旅行」を選択。画面左のメニューから「フライト」をクリックすると、トップ画面に。出発地と目的地を入力し、条件や日程を設定すると検索結果がずらり。料金や飛行時間などに基づき、並べ替えもできる。

リアルタイムで料金状況を把握。日程を決める際の参考に。日付ごとの料金を確認でき、金額変動の様子が一目瞭然。日程を設定すれば、その指定した期間を飛行機のアイコンが示してくれる。検索結果に戻り、左上の「料金のトラッキング」をオンにすれば、選択した日程の料金が変更されたらメールで更新情報をお知らせ。日付指定せずとも、料金が安い時を教えてくれる機能も。

次回は、2350号(2023年5月31日発売)掲載予定です!

※『anan』2023年5月24日号より。イラスト・小迎裕美子 取材、文・一寸木芳枝

(by anan編集部)