日本テレビ系『金曜ロードショー』(毎週金曜21:00〜)では、映画『コーダ あいのうた』を6月16日に地上波初放送する。

『コーダ あいのうた』

コーダ(CODA / Children of Deaf Adults)とは、耳が聞こえない、または聞こえにくい親のもとで育つ子どものこと。本作は家族の中でただ1人の健聴者である少女が、家族やさまざまな問題を力に変えて自らの夢を実現していく姿を描いたヒューマンドラマだ。

2022年の米アカデミー賞で、「作品賞」「助演男優賞」「脚色賞」の3部門を受賞したのを始め、ゴールデン・グローブ賞でも「ドラマ映画賞」「映画助演男優賞」を獲得。ハリウッドの映画俳優たちが選ぶ全米映画俳優組合賞でも、最高賞にあたる「キャスト賞」を受賞するなど、2021〜22年の各映画賞を総なめした。

同じつづりのCODAは、楽曲の終わりを指す音楽記号として用いられ、ひとつの章が終わり、また次の章が始まることを象徴している。









本作の大ファンで、『金曜ロードショー』のアンバサダーを務めることになったフリーアナウンサーの宇垣美里が、コメントを寄せた。

■宇垣美里コメント

昨年のアカデミー賞で作品賞を受賞した『コーダ あいのうた』が地上波初放送!私の大好きな作品です。

この作品は、イキイキとしたろう者を描いた作品でありながら、普遍的な誰もが共感できる親子の話でもあり、青春映画でもあり、音楽映画でもある、万人に刺さる作品になっていると思います。

特に私が好きなポイントは、手話という言語の豊かさです。

実際に耳の聞こえないろう者の方が演じているという部分もあるのだと思うのですが、とにかく手話という言語がこんなにもイキイキしているのだということを私はこの作品で改めて知ることができました。

一番それを感じたシーンは、ろう者ではない主人公が「どうして歌を歌うの?歌を歌うときにどんな気持ちになるの?」と先生に聞かれて、言葉では説明できなくて手話で伝えるシーンです。彼女にとって手話は“コーダ”(ろう者の子ども)であるからこそ第一言語で、だからこそ、この気持ちを、「手話なら」表現できるというのが、それだけで伝わってくる…この言葉って何て豊かなんだろうっていうことがわかるシーンでした。

おすすめのシーンはまだまだありまして、特に皆さんに非常にささるんだろうなと思うのが、音楽発表会のシーンです。

観客の前で主人公はじめ、合唱グループのみんなが歌を歌うのですが、そのシーンの中で一瞬無音になるんです。それが主人公の家族が、その瞬間をどのように受け止めているのかっていうのを、私たちにも体験させてくれるシーンになっています。

もちろんそれは耳の聞こえる人にしか開かれていない表現ではあるのですが、それによって家族が、「彼女の歌いたいという気持ちを、どうしてわからない、理解し得ないのか?」ということが伝わってきます。

その後に、それでも「彼女がどうして歌いたいのか、歌っているときにどういう風な表現なのか?」というのを知りたくて、父親役のトロイ・コッツアーさんが手を差し伸べるシーンがあるんですけれども、もう!そこが堪らなくて…。

きっと分かり得ないし、完全に理解することはできないとは思うのですが、それでも知りたくて手を伸ばす。その姿勢というのは、こんなにも尊くて美しいんだと思いました。

本当に素敵な作品なので、多くの方に見て頂けたら嬉しいです!



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