「鉄道駅から遠すぎ」な江戸川区役所が移転で便利に。

船堀駅の北側に「新区役所」と「再開発ビル」

「鉄道駅から遠い」ことで知られる江戸川区役所。今後、都営新宿線の船堀駅に近接した場所に移転する予定で、大幅に利便性が向上します。区は2023年4月に「新庁舎基本設計方針」を公表。「日本一の防災庁舎」を目指し、新たな区役所の整備に向けた動きが本格化しています。


都営新宿線の車両(画像:写真AC)。

 現在の江戸川区役所本庁舎は鉄道駅から離れた場所にあるため、小岩駅や新小岩駅、船堀駅、葛西駅などからバスを利用して訪れるのが一般的です。現庁舎は建築から60年以上が経過して老朽化が進んでおり、機能が複数の建物に分散しているなど、防災や利便性の面でも課題を抱えています。そのため、新たな庁舎を船堀駅の近くの都営住宅跡地に移転整備することになった経緯があります。
 
 計画地は船堀駅に近接した区の複合施設「タワーホール船堀」の北側。この敷地を南北に分けた上で、北側に区役所新庁舎、南側に再開発ビルを一体的に整備する予定です。
 
 新たな庁舎は「災害対応の拠点」として、延床面積約6万1000平方メートル、高さ99メートルの規模を想定。「新庁舎基本設計方針」には、基本理念として「これからの100年を支える日本一の防災庁舎」を盛り込んでいます。
 
 具体的な防災機能として、中間層免震構造や長期間の自立運用を見据えたバックアップ機能、ヘリポートを設置する予定です。水害の影響を避けるため、主要機能を2階以上に配置するとしています。このほか、交流の拠点となることを見据え、広場なども設けられます。今後は2025年度に着工し、2028年度の供用開始を目指して整備を進める方針です。
 
 新庁舎の南側に建設される再開発ビルは地上27階地下1階、延べ床面積約5万7000平方メートルを想定しており、商業施設、オフィス、共同住宅などが入る見込みです。
 
 今後、船堀駅周辺が大きく姿を変えそうです。