大井町線へ新型車両を導入 無線式制御システム準備も 東急電鉄、431億円の設備投資
減りゆく四角い銀色の車両。
2031年度にはCBTC運用も
東急大井町線で使われる9020系電車。元・田園都市線の2000系電車を改造した車両(画像:写真AC)。
東急電鉄が2023年度の設備投資計画を発表しました。自然災害対策や安全施策、駅のリニューアルなどに総額431億円を計上します。
大井町線向けには車両を新造。同線では9000系電車、9020系電車、6000系電車、6020系電車の4種類が使われていますが、このうち老朽化の進む9000系と9020系を置き換えるとしています。
また2031年度には、同線へ無線式列車制御システム(CBTC)を導入。CBTCとは次世代の信号システムのことで、無線技術を活用して列車の位置や速度を常時把握し、列車間の安全な距離を確保するよう速度を制御できます。今年度は機器の設計や製作に着手する予定です。
CBTCのメリットとして、運転士の信号見誤りなどヒューマンエラーを事前に回避できるほか、地上信号機や軌道回路などの設備を省略でき、維持コストを削減できることが挙げられます。そして、ひいては自動運転など、将来の技術革新の基盤となり得ます。
東急電鉄は「人手・資材不足などの外部要因により、投資環境の先行きが見通せない状況にありますが、着実に設備投資を実施し、将来世代に負担を先送りにすることなく持続的に社会に求められる価値を提供し続けます」としています。