由来が内陸の町だから式典はニューヨークで実施。

米軍艦としては初の艦名

 アメリカ海軍は2023年5月6日、米本土東海岸ニューヨーク市において、フリーダム級沿海域戦闘艦(LCS)の12番艦「クーパーズタウン」の就役式典を実施したと発表しました。

 同艦はフリーダム級の12番艦で、2018年8月14日に起工、2020年1月19日に進水しています。艦名の由来は、ニューヨーク州のほぼ中央にある人口2000人弱の町クーパーズタウンで、この名が軍艦に付けられるのは初めてです。


海上公試中の「クーパーズタウン」(画像:ロッキードマーチン)。

 クーパーズタウンにはアメリカ野球殿堂(National Baseball Hall of Fame)があることでアメリカ国内では知られており、ここではメジャーリーグ(MLB)などで顕著な活躍をした野球選手や監督、コーチ、審判員などを称え、後世に伝えています。

 そのため、同艦にこの町の名を付けたのは、南北戦争や第1次世界大戦、第2次世界大戦、朝鮮戦争などに従軍した野球関係者らに敬意を示すためでもあるそう。

 船体サイズは、満載排水量約約3300トン、全長115.2m。ウォータージェット推進により、最大速度は約45ノット(約83.3km/h)を発揮することが可能です。武装は57mm単装速射砲と、近距離対空ミサイル発射機を各1基備え、MH-60艦載ヘリコプター1機もしくはMQ-8B「ファイアスカウト」無人偵察機2機の運用能力を有しています。

 今後「クーパーズタウン」は、フロリダ州のメイポート海軍基地へと移動し、そこを拠点に運用される予定です。