リーガ2年目となるレアル・マドリーのロビーニョにとって今シーズンに懸ける意気込みは相当なものである。‘ペレ2世’の呼び声高いロビーニョは、昨シーズン、レアル・マドリーに移籍したが、ヨーロッパスタイルのサッカーにとまどい、期待されたほどの活躍も出来ないままシーズンを終えており、「今年は僕のシーズンにする」と鼻息も荒い。

しかし、ファビオ・カペッロが監督に就任したことでロビーニョの活躍の場も失われそうな気配が漂っている。カペッロ監督の方針は明確だ。彼のチームコンセプトのベースにあるのは強固な守備にあり、一瞬の輝きより地味ではあっても堅実なプレーを好み、結果を何より重視する。90分間チームに貢献できる選手を起用する傾向にあるカペッロ監督が、ロビーニョのような創造性溢れる選手に与えるチャンスは少ないと考えられる。さらに、同監督はロビーニョが最も活きるポジション、つまり左サイドにはラウルを起用し、ラウルを起用できない場合はレジェスと、ロビーニョを第3オプションとして考えている。

レアル・マドリーに所属するブラジル人選手にとって受難の時を迎えている。ロベルト・カルロス、エメルソンを除きレギュラーの座を確約されている選手はいない。残留したものの怪我で出遅れているロナウド、カペッロ監督の構想外となっているシシーニョ、彼らはアーセナルに移籍したバチスタのように冬の移籍マーケットで放出される可能性が高い。そして、ロビーニョもそれに続く可能性がでてきた。

与えられたチャンスを活かし、カペッロ監督の信頼を得てレギュラーの座を掴むことができるのか?いずれにしても、ロビーニョのレアル・マドリーでの将来はカペッロ監督が握っていると言えそうだ。