中山GJに出走予定のニシノデイジー(撮影:下野雄規)

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 暮れに行われる中山大障害よりも150mほど長い4250mに9種類12回の障害と、3種類のバンケットが5回用意されている最高難度の障害レース。体力的なスタミナと同時に精神的なスタミナも求められるレースだ。ハードル界は絶対王者と言われたオジュウチョウサンが引退し、混戦模様。このレースも伏兵多数で難解だ。

 ◎ニシノデイジーは昨年暮れの中山大障害の覇者。この時は障害重賞初挑戦のうえ、中山コースも初めてというキャリアだったが、早め先頭から危なげなく押し切る強い競馬だった。さすがは平地重賞2勝馬という脚力だった。前走の阪神スプリングジャンプは、スタートから力むような走りになり、不安定なレースになってしまった。大障害の覇者としては物足りない結果になってしまったが、障害転向5戦目で、初めての阪神コースということを考えれば責められない。実績のある中山コースに戻って改めて期待したい。

 〇ビレッジイーグルは前哨戦的立場にあるペガサスジャンプS2連覇で、昨年の中山グランドジャンプ5着。中山大障害も2度出走していずれも5着と掲示板を外していない。祖母のブランディニーは障害レースで8勝を挙げた名ジャンパー。その血をしっかりと受け継いでいるようだ。

 ▲ミッキーメテオは昨年12月のイルミネーションジャンプS優勝馬。障害初勝利まで7戦を要したものの、初勝利を大差で飾ると、続くイルミネーションジャンプSでは2着に10馬身差。この時3着だったビレッジイーグルを大きく突き放している。前走の阪神スプリングジャンプは4着。前哨戦ということを考えれば悪くない内容だった。スムーズな競馬ができない脆さもまだあるのかもしれないが、このメンバー相手でも十分に通用する力の持ち主だ。

 △ダイシンクローバーは中山新春ジャンプS優勝馬で、ペガサスジャンプS2着。昨年秋から安定感を増しており、良績のある中山コースならば武器の操作性を生かせそうだ。

 △スマートアペックスは21年東京ジャンプS優勝馬で、一昨年の中山グランドジャンプ4着馬。1年以上に及ぶ休養から復帰したあとも勝ち馬から差のない競馬を続けており能力的な衰えはなさそうだ。今回のメンバーなら無視はできない。