記者会見に出席した頼清徳副総統(左)、奈良美智さん

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(高雄中央社)画家の奈良美智さんが台湾のために制作した作品「Hazy Humid Day」の巡回展示が南部・高雄市の内惟芸術センターで4月1日に始まるのを前に、開幕記者会見が31日、同所で開かれた。式典に出席した奈良さんは、自身がもっと「人のために何かできる存在」であるということを気付かせてくれたのが台湾だったと明かし、台湾、ひいてはアジア、世界各地で展覧会を開催していきたい考えを示した。

奈良さんは2021年3月から約1年をかけて台北、高雄、台南で開かれた個展に合わせて同作を制作した。同作は10年をかけて台湾各地で展示される予定。巡回展は台湾の非政府組織(NGO)中華文化総会などが主催している。

高雄に来るのは久しぶりだという奈良さん。高雄ライトレール(LRT、軽軌)が開業するなど、かつてとは風景が異なっており、「そういう時間の経過を見れたことも、今回来てよかったと思っています」と再訪を喜んだ。「台湾という国は、僕の好きな国のベスト2」だと話し、台湾が日本に次いで2番目に好きな国だと紹介した。

また、台湾の3カ所で個展を開いた経験を通じ、自身の心境に変化があったことを告白。人間には落ち着ける場所や和める場所、文化的に創造できる場所が必要であり、「制作して、それを世界中の皆に見せることが、唯一僕が人間としてできるいいこと」だと思うようになったという。「世界に向けていろいろ展示をやっていける、やろうと思う気持ちが生まれた」と語り、各地での展覧会開催に向け努力していく姿勢を示した。

記者会見には頼清徳(らいせいとく)副総統や陳其邁(ちんきまい)高雄市長らも出席した。頼氏は、奈良さんが絵画を通じて社会を和やかな気持ちにしていることは尊敬に値するものだと話し、奈良さんが今後、台湾をもう一つの家として台湾の風土や人情を創作活動の糧とし、それらを題材にした作品が生み出されるよう期待を寄せた。

同センターでの展示は8月31日まで。奈良さんが2015年に訪台した際に撮影した写真20点も併せて展示される。奈良さんは来月中旬まで台湾に滞在し、作品制作にも取り組む。

(蔡孟/編集:名切千絵)