スタッフの採用に悩んできたピザ店は…(画像は『New York Post 2023年2月21日付「Pizzeria’s blunt ‘Now hiring: non-stupid people’ ad sparks backlash」(Santino’s Pizza)』のスクリーンショット)

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アメリカのピザ店が挑発的な言葉遣いの求人広告を出して話題を呼んでいる。店側はちょっとしたユーモアを加え注目を集めようとしただけだったが、ピザの注文をする電話が鳴りっぱなしになったそうだ。一方で、求人広告が気に入らない人からの嫌がらせも受けているという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。

話題の求人広告は、米オハイオ州コロンバスにある家族経営のピザ店「Santino’s Pizzeria」が出したものだ。オーナーのロブさん(Rob)はこの求人広告の意図について、「ユーモアを使うことによって他の店との差別化を図り、より多くの応募者を集めようと考えていました」と真意を打ち明けた。ロブさんはこれまでIndeedやMonsterなどの求人検索に用いられるプラットホームを利用してスタッフを募集していたが、なかなか人が集まらなかったという。そこで従来とは違うアプローチをする必要があると考え、「スタッフ募集中(愚か者を除く)」という文言を思いついたそうだ。

共同オーナーであるジェイデン・ダニガンさん(Jayden Dunigan)は「新しいスタッフを時間とお金をかけてトレーニングしても出勤しなくなってしまうことが悩みの種だったんです。私たちが採用してきた人たちは、ただ働きたくないだけのようでした。彼らには労働意欲が無いのです。求人募集に書いた“愚か者を除く”というのはそういうことですよ」とこの求人広告を作成するに至った経緯を話した。

店長のヘザー・ストックトンさん(Heather Stockton)は「とにかく信頼できる人、時間を守る人、サンダルで出勤しない人を探しているんです」と話しており、不真面目なスタッフに悩まされてきたことがうかがえる。

実際にこの求人が出されたのは数か月前のことだったが、最近になってこれを撮影した客の1人がネットに投稿したことで大きな話題を呼んだ。ロブさんは「Lowe’s(ホームセンター)を歩くと私が着ているうちの店の名前が入ったTシャツに誰かしら気付いてくれて、『辞めないで』『頑張ってください』と声をかけてくれるようになったのです」と明かしており、反響の大きさに驚いている。

このユニークな求人には、人々から「面白い! 完璧な求人広告だ」「問題は愚かな人って自分がそれに気付いていないことだよね」「ここの労働環境は悪くなさそうだ」「ここで働いてみたい!」など肯定的なコメントが多数寄せられている。一方でこの求人をユーモアと捉えられなかった人もいるようで、「ビジネスオーナーとしてこんな第一印象を与えても良いと思っているなら、従業員が辞めてしまうのも無理はないと思う」という意見が届き、イタズラ電話もかかってくるという。

また別の日には電話で100ドル(約1万3千円)以上の注文を受け、張り切ってピザを作り客の到着を待っていた。しかし同じ客から再び電話があり、見下した態度で文句を言われた後にその注文をキャンセルされたこともあったそうだ。余ってしまったピザは地元のシェルターに寄付したというロブさんは「ネガティブなことは気にしていませんよ」と語っている。

ちなみに2021年には北アイルランドで、仕事に応募し続け300社から不採用を受けた男性が「僕を雇って」と書いた巨大看板で自身を売り込んだことが注目を集めていた。

画像は『New York Post 2023年2月21日付「Pizzeria’s blunt ‘Now hiring: non-stupid people’ ad sparks backlash」(Santino’s Pizza)』『Allison Ruth 2023年2月15日付Facebook「In case any non-stupid people are looking for a job. Wow!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)