新規発注なければ3年弱でライン閉じるそう。

既存機のアップグレード化は今後も実施

　アメリカの航空機メーカー、ボーイングは2023年2月24日、同社が製造する戦闘機F/A-18「スーパーホーネット」に関して、2025年後半に生産ラインを閉じる予定であると明言しました。

　海外ユーザーから新規発注を受けた場合はその限りではないものの、それでも2027年には生産を終わらせるとしています。


セントルイスのランバート国際空港を離陸するF/A-18F「スーパーホーネット」。現在生産されているのは最新型のブロックIII（画像：ボーイング）。

　ボーイングの説明によると、F/A-18生産終了の決定により、開発リソースを将来の軍用機プログラムに振り分けることができるようになるといいます。なお、それに伴いミズーリ州セントルイス工場では、次世代ジェット練習機T-7A「レッドホーク」や、世界初の自律型無人空中給油機MQ-25「スティングレイ」の増産が可能になるほか、新型機F-15EX「イーグルII」と次世代旅客機ボーイング777Xの主翼コンポーネントなどの生産にも注力できるといいます。

　また、次世代の高性能な有人並びに無人航空機の開発を推進するために、セントルイスに最先端の施設を複数新たに設ける計画のようです。

　F/A-18戦闘機シリーズの最初のタイプであるF/A-18A「ホーネット」が初飛行したのは1978（昭和53）年11月18日のこと。アメリカ軍で最初の実戦部隊に配備されたのが1983（昭和58）年1月であるため、今年（2023年）でちょうど運用40年を迎えたことになります。

　それ以来、現行のE型ならびにその複座型F型、そして電子戦仕様のEA-18G「グラウラー」まで含めて、シリーズ合計で2000機以上が生産されており、アメリカだけでなく、オーストラリア、カナダ、フィンランド、クウェート、マレーシア、スペイン、スイスなどで導入されています。

　なお、ボーイングでは生産終了しても電子戦機EA-18G「グラウラー」まで含め、F/A-18シリーズのアップグレード化は継続して実施するとしています。