2022年賞金ランキング5位の桂川有人のスイングを解説(撮影:佐々木啓)

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2022年の男子ツアーを振り返ると、賞金王に輝いた比嘉一貴や比嘉に次ぐ2位の星野陸也ら、20代が活躍する一年だった。ここではツアープロコーチ・石井忍が、国内男子賞金ランキングでトップ10に入った選手たちのスイングを連続写真で分析し来季の活躍を占う。
今回は22年賞金ランキング5位、「ISPA HANDA欧州・日本 とりあえず今年は日本でトーナメント!」でツアー初優勝を遂げた桂川有人のスイングを解説。ドライバーの平均飛距離とフェアウェイキープ率を合算した数値、トータルドライビングでは堂々の1位を記録している。
“飛んで曲がらない”ドライバーショットを打つ桂川のスイングの特長について石井は、「胸板と手元の関係が変わらずにスイングしていて、非常にバランスがいいです。本当、曲がりませんよね」と話す。
胸板と手元の関係が変わらないスイングとは?
「両ワキがスイング中終始締まっていて、タオルを挟んだまま打っているようなスイングです。いい意味で右向け右、左向け左という感じです」
ゴルフは手で持ったクラブを振るスポーツ。ワキがあいてしまうと、手元が浮いて体から離れてしまい、スイング軌道が乱れる。だが、桂川は両ワキをほどよく締めて手元と胸板の距離を変えずに振っている。だからショットが曲がらないのだ。
また、石井は下半身の使い方も“飛んで曲がらない”ポイントに挙げる。
「バックスイングでは右足の角度を保って、右にスライドしすぎない。ダウンスイングは下半身始動で上半身が回っていきますが、下半身が回り過ぎないように両ヒザを開く動作、ちょいガニ股にする動きを入れて切り返しています。これが再現性の高い安定感のあるインパクトに結びついています」
今季はアジアンツアーや欧州ツアーに積極的に参戦する予定の桂川。海外でもこの素晴らしいスイングで活躍することが期待される。(文・高木彩音)
■石井忍(いしい・しのぶ)1974年生まれ、千葉県出身。東京学館浦安高等学校、日本大学のゴルフ部で腕を磨き、98年プロテスト合格。2010年にツアープロコーチとして活動を始め、多くの男女ツアープロを指導。また「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアへの指導にも力を入れている。
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