社会学者の宮台真司氏(提供=共同通信社)

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 11月29日に東京都八王子市の東京都立大南大沢キャンパスで何者かに切りつけられて重傷を負い、都内の病院に入院していた社会学者の宮台真司氏が7日、退院した。宮台氏は退院後、ジャーナリストの神保哲生氏とともにネット放送局「ビデオニュース・ドットコム」の動画に出演し、事件などについて語った。

 宮台氏は、左耳にガーゼを着けた状態で姿を見せ、冒頭で「皆さん、本当にお騒がせして恐縮でした。もちろん僕にとっても驚天動地の事態でもありました」とあいさつ。その上で「ただ、過去30年弱の間、脅迫のお手紙とか、インターネットの時代になってからは殺害予告などはよくあることだった」とし、「今回の事件について、まったく不思議なことが、考えられもしないことが起こったという風にはまったく理解していない」と心中を語った。

 事件の詳細に関しては、捜査中のため答えられないとし、「関係者たちに、僕の言説、言葉、さまざまな表現が、人々にどういう印象を与え得るのかということについて、多角的な検証を行っているところ」と説明。「どういう立場の人からどういう風に受け止められるか確かめるっていう意味では、わりといい機会を与えていただいたと思っています」と前向きに語った。

 重傷と報じられた負傷の状態については「当日、4時間強の手術があり、翌日にさらに1時間強の手術があり、合わせて6時間の手術があった。もう麻酔ぶち込まれまくりの状況で、意識ももうろうとしていた」と告白。「『重傷だけど命に別状がない』って報道される状態って、こういう状態なのか、これほど深刻なのに『重傷だが命に別状はない』っていう言葉の軽さと、自分が置かれてる状況のギャップに衝撃を受けました」と新鮮な驚きを明かし、「かなり深刻な肉体的ダメージは受けていますが、驚くほどの速度で回復をして、自力で動けるようになったということで退院させていただいた」と明かした。

 足の負傷などでリハビリが必要のため、当面はオンラインでの仕事となるものの、退院をもって言論の世界に復帰することを宣言。「ダメージを受けているのは身体だけです。身体がダメージを受けてるからといってオツムや心がダメージを受けているわけではないので、しゃべる分には大丈夫です。流動食ではない普通のご飯を食べることができます」と笑みを浮かべた。

 事件を経て感じたこととして、「ツイッターを僕の弟子たちに分析させています。その結果、明るい材料もあった。僕の表現に賛成の方もいらっしゃればアンチの方もいらっしゃるんですけど、アンチの方の9割が、今回の事件について『許せない』としている」と驚きの報告も。さらに「アンチの9割が許せないと言うことは、残りの1割が本当のクズ中のクズであることがはっきりしている。自称フェミ系にも、ウヨ系にも、サヨ系にも…。そのぐらいの割合だと分かったのが、本当に良かったです」と冗談めかしつつキッパリ。「そういう景色の中で、僕らの表現活動があるんだとお分かりいただければと思います」と言葉に力を込めた。

(よろず~ニュース編集部)