そもそも「半固定式」とはどういうことなのか。取扱説明書に「概要」が書かれている。

「速度違反自動取締装置(オービスⅤーHK)は、固定式であるORBISⅢなどの速度違反画像を中央装置に伝送して違反データを一括管理できる機能と、可搬式であるLSM-300の持つ機動性という二つの特徴を併せ持った装置です」

固定式と可搬式を合体させた装置なわけだ。説明は続く。

「本装置の端末装置は、可搬端末と据付端末により構成されます。予め取締りを行なう複数の地点に据付装置を設置(電気工事、通信工事及び支柱取付工事)し、それぞれの地点の交通状況に応じた最適な時間に、可搬端末を設置しセットアップすることで、効率的な運用が可能となります」

わかりやすく言えば、
・据付装置、いわば台座を複数箇所(基本的には3箇所)に設置
・1台の端末(可搬式オービスの本体部を横置きにしたような形)を適宜載せ替える
・撮影画像は警察庁舎内の中央装置へ通信回線で伝送する
それが半固定式オービスだ。

大したアイデアだ、考えましたね、と言いたいがしかし…。さまざまなデータや警察庁の動きを見ると、スキャンレーザー式はどうも取り締まりに向かないようだ。なのに警察庁がゴリ押しをして、都道府県の現場警察官たちは困っている、そんな構図がどうも見てとれる。

スキャンレーザー式は、パトカーの屋根に搭載するLSM-100、ネズミ捕り用のLSM-200、可搬式のLSM-300、LSM-310、固定式のオービスⅤLpにLs、そして半固定式のオービスⅤL-HKへ、どんどん広がっている。すべての不具合をイッパツで改善する“夢の新部品”の誕生を、警察庁は待っているのだろうと私は見る。

だが、ただ待つわけにはいかない。取り締まり件数(撮影枚数)をあげろと警察庁は現場警察官の尻を叩くはず。怪しい測定結果を運転者に押しつけ、屈服させるということが起こってくるかもしれない。もしものときのためにドライブレコーダーは必須と私は思いますよ。

文=今井亮一
肩書きは交通ジャーナリスト。1980年代から交通違反・取り締まりを取材研究し続け、著書多数。2000年以降、情報公開条例・法を利用し大量の警察文書を入手し続けてきた。2003年から裁判傍聴にも熱中。2009年12月からメルマガ「今井亮一の裁判傍聴バカ一代(いちだい)」を好評発行中。