天候に激しく左右される洗濯。それゆえ、洗濯をするときにはまず天気予報を気にするという方も多いのではないでしょうか。でも、それは外国でも同じなのでしょうか…? そこで今回は、アメリカ・シアトルに住んで十数年、子育てに奮闘するライターのNorikoさんに、「アメリカの洗濯事情」についてレポートしてもらいました。

洗濯物を外に干す習慣がない!?アメリカの洗濯事情

日本の住宅街では洗濯物を外に干す習慣が古くから根づき、テレビの天気予報では洗濯物の乾きやすさを示す「洗濯指数」なるものまで! ホームドラマやアニメでも、雨が降ってきて洗濯物をあわてて取り込む風景はおなじみですね。

約20年前に始まったアメリカ暮らしで最初に覚えなければならないことのひとつに、「乾燥機の使い方」というものがありました。というのも、アメリカの多くの地域では、屋外に洗濯物を干す習慣がありません。

乾燥機は、まず糸くずフィルターのゴミを取り除き、洗濯機から取り出した、濡れたままの洗濯物を投入。希望する乾燥時間の数字までツマミを回して、そのツマミを上に引き上げると乾燥がスタートするという仕様でした。そのタイムスリップしたようなシンプル過ぎる設定方法にも、当初は戸惑ったものです。

タオル類はともかく、衣類は日本から持参したこともあり、しばらくは日本の物干しハンガーを複数使って部屋干しをしていました。ですが、アメリカで購入する服が増えるにつれ、かさばる物干しハンガーはお役御免に。今は、ほぼ乾燥機ですませています。

●家事の時短になって見た目もスッキリ

思えば、洗濯物を干す、取り込む手間というものは、地味に私たちの暮らしに影響を与えています。外に干したい場合、その日の天候や日照時間を考慮して洗濯を計画・準備しなければならず、乾くまでに時間がかかり、条件によっては外出も制限されます。

日本に帰省すると、乾燥機のない実家で日本式に洗濯をすることになるのですが、暑い夏には干す間も取り込む間も汗だくに…。蚊に刺されやすい体質の私は、そのリスクも高まるため、あまり外の物干し場に長居したくありません。季節によっては花粉などアレルギーの原因にも。そうした苦労を一気になくしてくれるのが、乾燥機なのです。

入れっ放しで洗濯物が乾くので、時短のメリットは十分。たっぷり容量の好まれるアメリカでは洗濯機が乾燥機と別に販売されていることが多く、横に並べる方法と縦に重ねる方法があります。日本で人気の乾燥機能つき洗濯機であれば、入れ替えの手間さえなくすべておまかせなので、さらに便利そうですね。

また、外干しでも部屋干しでも生活感が出てしまう洗濯物ですが、乾燥機を使えば住環境の見た目もスッキリ! 物干し場や物干しハンガーのスペースを確保する必要さえありません。

●アイロン要らずのカジュアル服でラクちん

強いてデメリットを挙げるなら、乾燥や絡まりによる衣服のダメージでしょうか。その点、アメリカで購入する衣服は下着を含め、頑丈にできているような気がします。流行のおしゃれ着でも、タグを確認すると洗濯機、乾燥機に対応していることがほとんどです。

そもそもIT企業を中心に、カジュアル服での出勤が基本のアメリカ西海岸シアトル。家にアイロンはありますが、コロナ禍のリモート勤務が続いていることもあって、ほとんど出番がありません。クリーニングに出すことも年に1度くらい。

じつは乾燥機を使うと、洗濯物が中でふんわりバラけるので、干すよりも洗濯ジワは目立たなくなります。乾燥機から出す際、グチャグチャに丸めたりはせず、優しく扱うことがポイント。

私はシワを残したくない衣服を乾燥機から1枚ずつ取り出し、ハンガーにかけてそのままクローゼットにしまっています。そうすることで、たたむ手間も省けます! また、乾燥による縮み対策として、ちょっと大きめサイズの衣服を購入するのもおすすめ。ちょうどファッションはオーバーサイズのトレンドが続いていますね。

ちなみに、アメリカでは乾燥機用の「柔軟剤シート(ドライヤーシート)」も一般的です。使い方は、洗濯物と一緒に入れて乾燥機を回すだけ。タオルもふっくら仕上がります。ただ、うちの子どもはそうした化学薬品にアレルギーがあるらしく皮膚がかぶれてしまうため、柔軟剤は洗濯機用の液体含めて現在は使っていません。

最近はドライヤーシートの代わりに、「ドライヤーボール」と呼ばれるボールを乾燥機に複数個入れて回すのが、エコだと話題に。化学薬品の影響もなく繰り返し使え、絡まりや静電気の防止にもなると評判です。気になる方はぜひお試しを!