誰でも簡単に印象的な写真や動画を撮影してアップロードできるInstagramやTikTokといったアプリが登場し、見栄えのする観光名所や食べ物でスマートフォンを構える人の姿も日常的な光景となりつつあります。ベルギーを拠点に活動するアーティストのDries Depoorter氏が、オープンアクセスの監視カメラ映像をAIで解析し、街角でInstagramにアップする写真のためにポーズを取るInstagramユーザーを見つけるプロジェクト「The Follower」を進めています。

The Follower - Dries Depoorter

https://driesdepoorter.be/thefollower/

Artist Uses AI Surveillance Cameras to Identify Influencers Posing for Instagram

https://www.vice.com/en/article/g5vj79/artist-uses-ai-surveillance-cameras-to-identify-influencers-posing-for-instagram

どういうものなのかは、Instagramに投稿された以下のムービーを見るとよくわかります。



画面の左側が実際に投稿されたInstagramの写真で、右側が監視カメラの映像。青いフードを着た男性と白いTシャツを着た男性が歩いているのを、黒いリュックを背負った人物がカメラで撮影しています。



店の前でキスをするカップルの写真。監視カメラの映像を見ると、同じ服を着たカップルが肩を寄せ合っています。



そして、写真通りにキス。



ニューヨークのタイムズスクエアガーデンでブラジル国旗を広げる男性のInstagram写真で、AIはブラジル国旗を認識。そして、AIが監視カメラの映像で認識している人物の中で、赤い服を着た男性がブラジル国旗を持っています。



肩にブラジルの国旗を羽織り、写真通りのポーズを取る男性。水色のポロシャツを着た男性がその様子を、スマートフォンらしきものでローアングルからあおるようにして撮影しています。



Depoorter氏によると、分析されているInstagramのアカウントは10万人以上のフォロワーを持つInstagramerが対象だとのこと。そして、オープンアクセスの監視カメラの映像を数週間分記録し、監視カメラが設置された場所で撮影されたすべてのInstagram写真をスクレイピングした上で、AIが写真と監視カメラ映像を比較したそうです。

The Followerの成果としてInstagramに投稿されたムービーは10日間の分析で作成されたもので、YouTubeにもアップロードされましたが、記事作成持点では監視カメラサービス側の申請によって映像が非公開になっています。

Depoorter氏はIT系ニュースサイト・Motherboardの取材に対して「私のすべての作品をチェックしていただければ、私が新しいテクノロジーの危険性を示していることはわかるはずです。本当にシンプルなものを多くの人に届けたいと考えています。私は難しい芸術が本当に好きではありません。私はシンプルにすることが好きなのです。私は自分がテクノロジーを扱う新世代のアーティストの一員だと思っています」とコメントしています。