「ヤクルトにもう余裕はなくなった」 怒涛の7連勝・DeNAが大逆転劇に期待できる理由
DeNAは3年ぶりの7連勝で貯金は今季最多の「10」
DeNAの勢いが止まらない。23日に京セラドームで行われた阪神戦を4-0で勝利し、3年ぶりの7連勝をマークした。貯金も今季最多の「10」となったチームを現役時代に阪神、ヤクルトなど4球団で計21年間捕手として活躍した野球評論家の野口寿浩氏は「首位のヤクルトにもう余裕はなくなったと見ていい」と断言した。
青柳対策としてスタメン9人中、7人の左打者を並べた打線が生きた。初回に昇格即2番で起用した神里が左前打でチャンスを作ると無死一、三塁から佐野の二ゴロの間に先制。2回には今永が自身を援護する左前タイムリー。そして3回は戸柱が左前適時打と序盤でエース右腕を攻略した。
投げても今永が6回4安打無失点の好投で8勝目をマークし、中継ぎ陣も無失点リレーで完封勝利を演出した。投打が噛み合った戦いぶりを野口氏は「宮崎、ソトのベンチスタートは余裕を見せているわけじゃない。前回と同じようにスタメンで起用された選手が個々の仕事を果たしている。Aクラスの中で一番の勢いがあるチーム」と評価した。
阪神との3連戦を終えれば、得意の本拠地横浜スタジアムで首位・ヤクルトとの3連戦
本拠地17連勝と無類の強さを誇っているが、ビジターでもその勢いは止まらなかった。球団名が横浜からDeNAに変わった2012年から京セラドームでの阪神戦は、この試合まで2勝9敗1分と苦手にしていたが、“負のデータ”を吹き飛ばす完封劇。今週は阪神との3連戦を終えれば、得意の横浜スタジアムでヤクルト3連戦が待っている。
首位のヤクルトが広島に勝利しゲーム差は「4」のままだが、はっきりと首位の姿は見えている。DeNAはここまでセ・リーグで最も少ない106試合を消化。残りゲーム数はヤクルトと5試合の差があり「目に見えるゲーム差は4だが、自力で2.5差(0.5×5試合)を縮めることができる。今のチーム状態を考えれば実質1.5差と考えてもいい。阪神に最低でもカード勝ち越し、3連勝すれば、いよいよ見えてくる」と、首位浮上の可能性を指摘する。
投手陣では今永、浜口、大貫、石田の先発陣が大崩れせず、リリーフ陣も伊勢、エスコバー、山崎が安定。チーム防御率3.35はリーグ2位と前半戦で苦しんだ投手陣の奮闘が目立っている。野口氏も「バッテリーにとって有利なカウントで勝負できている。攻めの姿勢がここにきて表れている」と目を細める。
最大17.5ゲーム差をひっくり返す、大逆転優勝は夢物語ではない。快進撃を続けるDeNAから目が離せない。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)