3Dプリント住宅模型を活用した商談イメージ(画像:DMM.comの発表資料より)

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 DMM.comは16日、「3Dプリント住宅模型サービス」の提供を正式に開始すると発表した。同社が2013年から手掛けてきたDMM.make 3Dプリント事業の1つとして展開する。住宅商談時のコミュニケーションツールとして、ハウスメーカーや工務店など法人向けに提供していくという。

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 3Dプリント住宅模型は、3次元で設計図面をデジタル化する3D CADで製図した3Dデータや、延床面積が記載された平面図などがあれば、インターネットで注文が可能。注文後は、最短1週間で模型が手元に届く。

 模型は通常、階層ごとに分割して製作されるため、組立てると建物の外観や全体像が確認できる仕様となっている。階層ごとに分かれていることで、部屋の間取りや位置確認も可能。設置予定の家具や家電なども3Dデータに盛り込めば模型に反映されるため、建物内の設置イメージも確認できる。模型は、商談時に顧客へ完成イメージを伝える・共有するツールとして活用するほか、商談後、顧客への贈呈品としての利用も想定しているという。

 今回の正式展開前には、先行導入を実施。ハウスメーカーや工務店に対して、すでに100棟以上の販売実績があるという。模型は、カラー模型と白模型の2種類を展開しているが、カラー模型は特に女性や子供から愛着を持たれやすく、人気があるという。

 DMM.make 3Dプリント事業では、3Dプリントの住宅模型以外にも工業部品や製品、ファッション小物などジャンルを問わずに法人向けサービスを展開してきた。各用途に合わせて使えるよう、3Dプリンタの素材も複数種類を提供。ナイロンやアクリル、シリコーンゴムやチタンなど、現在26種類の素材を取扱っている。個人向けサービスも展開しており、利用会員数は法人・個人合わせて17万ユーザーを超えているという。

 3Dプリンタの市場も拡大傾向にある。矢野経済研究所が22年4月に発表した調査結果によると、2021年の3Dプリンタ材料の世界市場規模は約3,112億円(推計)で、前年の2,609億円から19.3%増加したという(エンドユーザー購入金額ベース)。さらに今後も拡大が見込まれており、26年までの年平均成長率は24%、26年には市場規模が約9,125億円にまで拡がると予測されている。

 DMMによる3Dプリント住宅模型サービスの提供は、ものづくりを担う人や関心のある人だけでなく、一般消費者と3Dプリントをつなぐ1つのきっかけにもなると期待される。