50代からの災害対策。備蓄だけでなく「ものを減らす」ことが大事な理由
大雨による増水、浸水、土砂崩れといった心配な災害が増えています。夏のゲリラ豪雨や、夏から秋にかけての台風も毎年予測されています。ここではライフオーガナイザーの下村志保美さんに、普段気をつけている防災備蓄について伺いました。
備蓄は分散。不要物を減らして「減災」を心がける
自然災害が多い日本。とくにこの数年は水害や台風被害も多くなっています。海抜が低いエリアで暮らすわが家にとっては、地震よりも大雨や台風に備えなくてはいけないと痛感しています。
●洪水に備えた備蓄食、防災グッズの置き場所
今までは災害というと「地震」ばかりを想定していました。だとすれば戸建てのわが家の場合、自宅からの避難経路は1階の玄関だけなので、1階に備蓄食などを置いていました。
しかし2019年の令和元年東日本台風の折、大雨による河川の氾濫の恐れがありとのことで、慌てて備蓄食、非常用トイレなどをロフトに持って上がる…ということをしました。
それを機に、備蓄食の置き場所をロフトにしました。
●地震に備えた防災グッズの置き場所
しかし一方で、地震に対しての対策も必要です。地震のときは急を要するでしょうから、非常持ち出し袋やは玄関の靴箱に、そしてラップや紙皿、トイレットペーパーなどは駐車場に置いたコンテナボックスに保管しています。
このコンテナボックス、以前は大きいサイズのものにまとめていましたが、重くて私一人では持ち上げることができなかったので、コンパクトなサイズのもの3つに分散させました。屋外に置いているので水や食品は入れていません。
3つの箱にはそれぞれ同じものを入れてあるので、余裕があれば3つを避難所などに持っていけばいいし、難しそうならひとつだけでも、というわけです。
●ものを減らして備える「減災対策」も必要
防災というとなにか非常用のもの、水、食品、トイレ、寝袋…など新たに購入することばかりに目が行きますが、じつは不用品を減らしておくということも重要。
たとえばこちらは令和元年東日本台風のとき、屋外のものが飛ばされたら危険と思って自宅内に屋外に置いておいたものを自宅内に入れたときの写真。
白い方の自転車はチェーンが壊れパンクもしていて、乗っていないにもかかわらず捨てることが面倒で放置していたもの。ラティス(木のフェンス)も同様。使っていないのに置く場所があるから…とほったらかしにしていましたが、そういうものでも台風時、風に飛ばされたら凶器になります。台風一過ののち、慌てて粗大ゴミの手配をし処分しました。
また地震のことを考えたら、高く積みあがった箱、廊下などに置きっぱなしのものはいざというときの脱出経路をふさいでしまうリスクもありますし、真夜中などは足を引っかけて転んでしまう恐れもあります。
歳を取ると、大きなものを捨てるのがおっくうになりがち。でも不用品を溜めておいてトクすることなんてなにもありません。まだ体が動くうちに、いらないものは処分しましょう。
命よりも「捨てられない」ものなんてありません。
なにかを買うだけでなく、減らすことも大切な防災です。
●防災備蓄3つのポイント
1:台風対策と地震対策では収納場所が違ってくる
2:防災グッズは持ち運べる重さにしておくこと
3:買いたすだけでなく減らすことで防災になる
自分の力では避けようがない自然災害。どうか「やっておけばよかった」と後悔しないよう、自分自身と大切な家族を守る対策をしてみてくださいね。