持続可能な社会をつくるための「SDGs」。2030年までの達成をゴールとした「持続的な開発目標」を指し、世界的に注目されています。一見難しそうに感じますが、じつは私たちの暮らしのなかに取り入れられることがたくさんあります。今回のテーマは「半端な野菜を捨てずに栽培する再生野菜(リボーンベジタブル)」について。SDGsに詳しいフジテレビの木幡美子さんにつづってもらいました。

物価が上昇!今こそ、チリツモ節約&エコな暮らしを

今、ものの値段が上がっています。
食品、お菓子、紙類、電化製品、外食産業…スーパーでいつものように品々をカゴにいれてレジに進むと「え? なんか合計金額が高い?」と感じることも。

豆苗はここまでぐんぐん伸びる!<成長過程写真>

いったいなにが起きているのでしょうか?
さまざまな要因がありますが、コロナとロシアによるウクライナ侵攻、急激な円安の影響が大きいです。小麦などの原材料の価格が上がりはじめ、それに加え原油の高騰によって物流などにかかる費用も上昇しました。また、物価高だけではなく、ものが“届かない”状態も起きています。半導体不足や、コンテナ不足により、国際物流に深刻な影響が出ているのです。新車を買おうと思ったら、1年待ち、なんてことも…。

 

●持続可能な経済の成長もSDGsの目標のひとつ

世界をものが行き交うグローバルな時代。すべてがチェーンのようにつながっているため、なにか問題が起きるとドミノ倒しのように、それが世界中に波及してしまいます。これが持続可能ではない原因のひとつなのです。

「経済のシステムをもっと持続可能にしていかなければならない」
これってじつは、SDGs(持続可能な開発目標)が私たちに問いかけていることでもあるのです。

お給料は変わらないのに、今後どんどん商品の値段が上がると、じわじわと家計が圧迫されていくのは必至。それでも安定した生活を送り、たまには、おいしいものを食べたり、旅行に行ったりもしたい! となると、私たちはいままで以上に節約したり、ものを大事に使っていかなければならないのです。
いよいよ、セコイなんて言っていられません。

●トイレを流すとき、エアコンをつけるとき、身近ですぐにできるエコ活動

今こそ、これまでこのコラムでお伝えしてきた「チリツモ・エコ作戦」を実践するときです!

トイレを流すとき大・小を使い分けて水道代を節約してますか? こまめなスイッチオフや、無理のないエアコンの温度設定による電気代節約も効果的です。

そして、化粧品などの使いきり作戦…服などのリユース、リサイクル、ひとつひとつは小さなことかもしれませんが、こまかく実践することが大事です。

そんななか、今回ご紹介するのは、「再生野菜=リボーンベジタブル」です。買った野菜をもう一度、育てて食べたり、観葉植物として楽しんだりしてみてはいかがでしょうか?

 

再生野菜「リボベジ」のおすすめと復活方法

再生野菜(リボベジ)にぴったりな野菜と、その方法をご紹介します。

●豆苗

再生野菜(リボベジ)の代表選手は豆苗! この値上がり時期にあって、このボリュームで99円でした。安い!

リボーン(再生)の仕方はいたって簡単。

◆STEP1:買ってきたときの“ファースト”豆苗をまずは料理して、食べる

◆STEP2:下の部分を水に浸して再生

2度楽しむには、あまり種ギリギリまで切らないで、下から5センチくらい残し、水を張ったボウルにいれます。私の場合は、テイクアウト用の入れ物を再利用。あとは、日の当たる場所におくだけ! インテリアとしてもちょっとすてきです。

7〜10日ほど経つとこんな感じに。

やや放置しすぎた感はありますが、“セカンド”豆苗を収穫して食べてみると、最初の豆苗よりやや細くてやわらかかったものの、味はまったく問題なし! もしかして3回目もいける? と試してみましたが、さすがにちょっと無理でした(笑)。

カイワレやブロッコリースプラウトでもできます。窓際などに置いて、夏場は腐らないように水はこまめに変えましょう。

●ニンジン

ニンジンは、葉を再生させます。普段ヘタの部分を切り落として捨てている方も多いのではないでしょうか? 私もそうでした。ちょっとだけ厚めに切って、器に入れ、数ミリの水に浸すと葉っぱが再生します。

見た目もかわいいですし、じつはにんじんの葉は根っこの部分より栄養価が高いのです。
タンパク質は根の1.4倍、カルシウムは根の3.5倍、マグネシウムは根の3倍、ビタミンCは根の3.7倍もあるそうです。

1日に1回以上水を変えていると、葉が成長します。

●ミントやバジルなどハーブ

スーパーにいつもあるとは限らないミントやバジルなどのハーブ類も再生可能。使いきれなかったら、水にさしたり、プランターで育てたりしてもいいですね。

私は、クレソンが好きなので、余ったクレソンを水に入れて再生しています。少し経つと根がでてきて、新しい葉が出てきます。ちょっとつまんでサラダに入れたり、料理のつけ合わせに便利です。パセリなども毎回買うより育ててしまうのはありでしょう。買いに行く手間も省け、節約にもなります。

●アボカド

つづいて、アボカド。アボカドも種を水耕栽培すると、芽が出るんです。

上下をカットし、薄皮をむいて上部に3、4本楊枝をさし、水に浸けます。ただ、実をつけるまで育てたことはありません。こちらは観葉植物のように飾るイメージです。

●レモン

そのほか、レモンやミカンの種も、洗って乾かして植えてみると、芽が出ます。

収穫までには時間がかかりますが、プランターなどで育てれば、観葉植物として目にも優しい上、植物は温暖化の原因である二酸化炭素を吸収してくれるので、環境にもいいんです。

住宅メーカーの積水ハウスは、家を建てる際に、庭に「5本の樹」を植えるプロジェクトを2001年から実施したところ、緑が増えることで、鳥や蝶を住宅地に呼び込む効果があったという検証結果を公表しています。皆さんが捨てる種を発芽させて、庭に植えることで生物多様性の保全に貢献できるのです。

今回はほんの数例のご紹介でしたが、ほかにも再生できる野菜・果物はいろいろありますので、物価高に負けないために、ぜひリボーンベジタブルを試してみてはいかがでしょうか?

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