アンガールズ田中のお宅訪問：小さな中庭に自然がいっぱい！とってもくつろげる〜
家好き芸人・アンガールズ田中さんが、建築家の自邸を訪れました。建築家の古川亮太郎さんが家族3人で暮らす、L字型の建物が中庭を囲むお宅を取材します。2階LDKの天井高は4m。快適なロフトもあります。そして各部屋にはさまざまなアートが。室内も中庭も癒やされる空間で、田中さんもくつろぎモードに…。
2階LDKの天井高は4m。隠れ家みたいなロフトも！
桜の名所としても知られる緑豊かな東京・井の頭公園まで歩いて行ける、閑静な住宅地に建つ古川亮太郎さんの家。道路側から見るとシンプルな2階建てですが、建物は中庭を囲むようにL型に配置。
各部屋は、中庭に面して配されています。「北側道路なので、普通に四角く家を建てると南側の塀沿いに奥行き2〜3mくらいのあき地ができて終わり。L型にしたことで庭ができ、2階のダイニングキッチンなどからも緑を見下ろせるので快適です」と古川さん。
LDKと子ども部屋がL型に連なる2階は、最大で高さ4m近くあるという大らかな天井が印象的。小屋組みを表しにして窓の配置と組み合わせることでリズミカルな雰囲気が生まれ、木と塗り壁の素材感も楽しめる空間になっています。高い天井はロフトにも活用。
床面積が限られているため、LDKの上部にはロフトを3か所設けて収納に活用。田中さんは「梁を使えば、前向きに下りられる〜」と楽しそう。
ロフトからの眺めは抜群。「けっこう広くて快適。間借りして住みたいくらいです。たまにひとりで考えごとをするのにもいいかも」（田中さん）。
ペニンシュラタイプのキッチンは、ステンレスの天板にダークグレーのキャビネットの組み合わせがモダンな雰囲気。ダイニングには、アーコールのモダンアンティークのバタフライテーブルと、ウェグナーやイームズのイスを配しています。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
夫40代 妻40代 長女3歳▼住宅の面積
敷地面積／102.76�屐�31.14坪）延床面積／82.08�屐�24.87坪）
1階／ 41.04�屐�12.44坪） 2階／41.04�屐�12.44坪）
キッチンの背後には大きな収納をつくり、すっきり！
キッチン背面には家電から食器、食品、ゴミ箱まで、すべてを収めた収納が。来客時には扉を閉めればすっきり。
「窓もたくさんあって、すっごく開放的。ロフトからの眺めも気持ちよかったです〜」と田中さん。
一方、中庭と反対側の壁面には窓がほとんどなく、ファブリックパネルなどの展示スペースになっています。「妻は美術展のプロデューサーなので、各室にピクチャーレールを設置して家じゅうを展示空間に。窓台やニッチも設けてさまざまなアートを飾っています」と古川さん。
今後は大きな絵も飾りたいそうで、美術館のようにときどき展示物を取り換えて楽しむ予定です。
リビングとつながる子ども部屋。引き戸で仕切ることができますが、今はLDKと一体の空間として使用。IKEAのカラフルな収納やマリメッコのファブリックで明るい雰囲気に。
庭は開放感抜群のアウトドアリビング
塀で囲われた中庭は、ランドスケープデザインを得意とする古川さんが手がけたもの。みずから植物を選定し、植えたそうです。「土の部分と舗装部分にブロック分けられていて、おもしろいと思いました。こういう庭って、あまり見たことがなかったな」と田中さん。リズミカルに並ぶ窓に合わせて配された舗装パターンが印象的です。
「土が出ている面が多いとそのぶん雑草も生えるので、舗装面を多くすると管理しやすいんです。土の部分は植物で植えつぶせば雑草は生えてこないし、水やりもそれほど必要ありません」と説明する古川さん。下草は手入れがあまり必要ない葉物を中心に植えているのもポイント。日本の植物を中心に配しているため、自然な雰囲気の庭に仕上がっています。
幹が美しい落葉樹のアオダモ、紅葉が楽しめるコハウチワカエデ、実がなるジューンベリーを植えた中庭は、食事も楽しめるアウトドアリビング。日当たりのよい一角にあるハーブガーデンには、田中さんが苦手なパクチーも元気に育っていました。
庭の舗装パターンと呼応するようにリズミカルに並ぶ窓が圧巻。
「こういう庭があると癒やされますね〜」（田中さん）。
1階には庭を眺めながら仕事ができるワークスペース
1階のワークスペースは、庭を眺めながら仕事ができる明るく快適な空間。現在はコロナ禍によりリモートワークが増えた妻も一緒に使っているそう。東側壁面全体を使った本棚を設置。IKEAの収納ユニットを使ってコストダウンを図っています。
グレーに塗装された壁には、イサム・ノグチの代表作である「AKARI」のデザイン絵紙が。天井のライティングレールにはルイスポールセンの「PH スノーボール」を設置。
ワークスペースからは、庭を眺めながら仕事ができます。
「各スペースは決して広くありませんが、庭で食事をしたり遊んだりできますし、室内は自然素材を用いているのでコロナ禍でずっと家にいてもストレスがないんです。洋服が体にぴったり合うように、過不足がない感じ」と古川さん。好きな植物とアートに囲まれた、ジャストサイズの住まいを実現したようです。
1階には寝室と水回り。片もちの階段や間接照明が美しい
冬場、寒くなりがちな玄関には、スウェーデン製の断熱ドアを採用。
玄関を入ると2階LDKにつながる片もち階段が。手すりには間接照明を配しています。
1階洗面室は階段下を利用したユニークな空間。腰高の緑のタイルにイタリア・カタラーノ社の洗面ボウルを合わせたデザインは、ヨーロッパの小さなホテルをイメージ。デンマーク製の円形ミラーもおしゃれです。
壁面に1970年代デザインのマリメッコを飾った1階寝室。反対側は中庭に面しています。
壁面のクローゼット内部はIKEAの収納ユニットを活用して整理。「家全体で80�屬靴�ないので、収納は重要。ケースなどには家族で色分けしたラベルを貼っています」（古川さん）。
間取り図
長方形の敷地に建物をL型に配置。道路側の駐車場は最小限のスペースとし、そのぶんアウトドアリビングとして楽しめる中庭を広めに確保しています。L型にすることで、各室が中庭に面し、天井の高い2階はLDKとプレイスペース（子ども部屋）が連なる一室空間になっています。
「室内も庭も快適でくつろげました〜」（田中さん）。
